紙ものを中心とした雑貨とカフェの複合店「手紙舎 文箱(ふばこ)」(松本市浅間温泉1、TEL 0263-87-2716)が松本・浅間温泉郵便局の隣にオープンして1カ月が過ぎた。
「東京蚤(のみ)の市」や「紙博」などのイベントや雑貨・飲食店を手がける「手紙社」(東京都調布市)が出店。30年前は銀行だった建物を改装し、古道具などを置いて落ち着いた空間に仕上げた。同社の城田波穂さんは「照明や扉もこだわり、カフェのソファはオリジナルで作った」と話す。
1階は、ポストカードやメモ帳をはじめ、ハンコやトートバッグ、アクセサリー、器のほか、店内の工房で製造したオリジナルジャムなどが並ぶ。市内在住のテキスタイルデザイナー・真田緑さんがイラストを描いたオリジナル切手も用意。バス停の前という立地もあり、「バスを待つ間、手紙を書いて投函(とうかん)することをイメージした。隣の郵便局では風景印を押してもらうこともできるので、合わせて楽しんでほしい」と城田さん。
店内では企画展も開催。イベントやほかの店舗で関わりのある作家の作品も数多く扱う。以前、金庫室として使っていたスペースでは古本を販売。「バリューブックス」(上田市)の協力を得て選書した絵本や文庫、実用書や写真集など幅広く用意する。
カフェスペースは、テーブルとカウンター合わせて18席。「キーマカレー」(1,200円)のほか、「抹茶のプリンアラモード」(900円)、「ベイクドチーズケーキ」(550円)などのスイーツ、ソーダーや水、お湯で割る「自家製果実シロップ」(715円)などのドリンクを提供する。
2階の1室は、同社オリジナルのA3判ペーパーを販売する「紙マルシェ」(5枚=600円、10枚=1,000円)。ほかにも部屋がたくさんあり、今後はワークショップなどにも活用していきたいという。
同温泉の「松本十帖(じゅうじょう)」でエリアリノベーションプロジェクトを展開する「自遊人」(新潟県南魚沼市)の岩佐十良社長から3年ほど前に声をかけられ、出店を検討。物件も紹介してもらったという。改装中は、手紙社の会員制度に登録する「部員」や周囲の人に向けて店内の見学会を実施するなどして、少しずつ準備を進めてきた。
今後は、地元の企業や作家と連携してオリジナルアイテムの開発やイベントの開催も行っていきたいという。「良い場所に仲間入りさせてもらったという気持ち。地元の人にも、旅をする人にも、拠点となる場所にしていければ」と城田さんは笑顔を見せる。
営業時間は10時~16時30分。火曜・水曜定休(祝日は営業)。