長和町在住の陶芸家・戸津圭一郎さんの個展「戸津圭一郎 陶展」が現在、松本市のギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」(松本市深志3、TEL 0263-39-5556)で開催されている。
皿、カップ、小鉢、急須、酒器など約150点を展示。粉引を中心に刷毛目(はけめ)や面取り、飛び鉋(かんな)など、伝統的な手法を用いた器が並ぶ。耐熱陶土を使った、2サイズ展開のオーブンウエアも。
リンゴの木の灰を入れた「リンゴ釉(ゆう)」は、温かみのあるグレーで落ち着いた雰囲気に仕上げた。リンゴの木は、剪定(せんてい)の際に出る枝などをもらい、アク抜きをして釉薬を作っているという。戸津さんは「配合や、使う土の種類で違う色味が生まれる」と話す。
戸津さんは有田窯業大学校(佐賀県)を卒業して、有田の窯元で4年間働いた後、1997(平成9)年に独立。普段使いの器を意識して、作陶活動を行っている。コロナ禍の1年、イベントや展示の機会は減ったが「オンラインで購入してくれる人が増え、巣ごもり需要の高まりを感じた」と振り返る。
同ギャラリーでの展示は3回目。同店の熊谷幸枝さんは「戸津さんの器は、長く使っても飽きがこない。大事に丁寧に、でも日常的に使いたい器」と話す。毎年、楽しみに訪れる人からは、「どんな料理にも合う」「気付くといつも手に取っている」という声も多いという。「昨年よりも形のバリエーションが増えた印象。お気に入りを見つけてもらえれば」とも。
価格は、小皿=1,600円~、小鉢=2,300円~、カップ=2,400円など。営業時間は11時~19時。月曜・火曜定休。3月28日まで。