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松本の「赤レンガ倉庫」保存・活用へ 信州大学創立70周年記念でCF呼び掛け

旧松本歩兵第五十連隊糧秣庫(赤レンガ倉庫)

旧松本歩兵第五十連隊糧秣庫(赤レンガ倉庫)

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 信州大学(松本市旭3)が、松本キャンパスにある国登録有形文化財「旧松本歩兵第五十連隊糧秣(りょうまつ)庫」(赤レンガ倉庫)の保存・活用に向けた取り組みを行っている。

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 松本キャンパスの旧医学部グラウンドの東側にある「赤レンガ倉庫」が建設されたのは1908(明治41)年ごろ。当時は駐屯していた松本歩兵第五十連隊の食料を保管するために利用され、現在は医学部の資料室として管理・活用されている。2012年には国の登録有形文化財に登録されたが、天井の雨漏りや内装のひび割れなど、補修が必要な状態になっている。

 今年、創立70周年と旧制松本高等学校100周年の節目を迎える同大学では、さまざまな記念事業を展開。その一つとして、人文学部、医学部、工学部を中心に「赤レンガ倉庫プロジェクト実行委員会」を立ち上げた。

 3月29日から、修繕の寄付金を募るクラウドファンディングを開始。目標金額が集まらなかった場合は支援者に全額返金する「All or Nothing」方式で6月14日まで募集し、目標金額は200万円。集まった金額によって、耐震補修工事の調査、雨どい改修、外周レンガの補修などを順次進める。医学部事務部長の大竹博昭さんは「全て行うとなると、膨大な資金と時間がかかるが、まずはその第一歩として調査から始めたい」と話す。

 31日には、保存・活用を考えるシンポジウムを「信毎メディアガーデン」(中央2)で開催。同大教授らや専門家が登壇し、地域との関わりの歴史や今後のあり方について話し合った。約100人が参加し、「戦争遺構として保存していくべき」「市内の児童・生徒への平和教育の場にしたい」という声も上がったという。「保存し、活用していくという方向性は間違ってないと感じた」と大竹さん。「松本市の歴史を支える貴重な文化遺産、そして大学だけではなく、街にとっての『ランドマーク』となるように活動を続けていきたい。多くの皆さんのご理解・ご協力を得られれば」とも。

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