松本で沖縄伝統芸能「組踊」ワークショップ 所作体験、楽しく理解深める

歩みやこねり手を体験

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 まつもと市民芸術館(松本市深志3、TEL 0263-33-3800)で2月12日、沖縄の伝統芸能「組踊(くみおどり)」のワークショップが行われた。

即興の組踊

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 組踊は、「唱え(せりふ)」「音楽」「踊り」の3つの要素で構成される歌舞劇で、琉球王国時代、中国から使者が訪れた際にもてなすために始まった。1972(昭和47)年には国の重要無形文化財に指定され、2010年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されている。

 当日は約40人が参加。国立劇場おきなわ芸術監督・嘉数道彦さんが案内役を、「立方」の玉城匠さん、「地謡」の仲村逸夫さんが講師を務めた。「唱え」については、玉城さんが若衆(元服前の少年)や女役、男役で声の出し方が違うことを実演し、後に続いて参加者も一緒にせりふ回しを体験。「音楽」では三線の胴の部分に使っているビルマニシキヘビの皮も登場し、参加者は興味深そうに触っていた。

 「踊り」では、男役と女役の立ち方の違いや歩み、こねり手などを教わった。うつむくことで悲しみを、向き合って肩の前に手を差し出すことで抱き合うことを、首をかしげることで喜びを表現することを説明。参加者は実際に体を動かしながら、組踊の雰囲気を楽しんだ。

 その後、玉城さんが参加者から一人、パートナーを募って、即興の組踊を実演。「(組踊を)実際に見たことはない」というパートナー役の参加者は、編み笠をかぶってつえを手にして、玉城さんと一緒に沖縄へ向かう様子を演じた。ストップモーションになったり、音楽が入ったり、説明を交えつつ旅は展開。食事のシーンでは、注文したテビチを落としてしまってうつむき、一口食べて、向き合って肩の前に手を差し出して首をかしげておいしさを表現すると、参加者からは笑いと拍手が起こった。

 同劇場は年3回ほど出張ワークショップを行っている。県内では初開催で、募集からすぐに定員になるほど人気ぶりを見せた。同館担当者は「組踊に興味を持っている人は多い。来年は組踊が上演されて300年の節目になるので、松本でも本編を上演できれば」と話す。

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