野外劇「遥(はる)かなるブルレスケ~とんだ茶番劇~」が8月31日~9月4日、りそな銀行松本支店隣の信濃毎日新聞松本本社建設予定地で上演される。
劇場から飛び出し、町中に仮設劇場を設けて上演する「Flying Theatre 空中劇場」として行う同作。昨年の「スカパン」に続いて2回目で、まつもと市民芸術館の串田和美芸術監督が潤色・演出・美術を手掛ける。
同作は、20世紀スペイン演劇を代表するノーベル賞作家・ベナベンテの「作り上げた利害」を串田さんが脚色。利害関係によって動く世をコミカルかつナンセンスに描く。出演は串田さんのほか、大森博史さん、真那胡敬二さん、内田紳一郎さん、猫背椿さん、李丹さん、佐藤友さん、深沢豊さん、近藤隼さん、佐藤卓さん、細川貴司さん、下地尚子さん。
20日には同館で公開稽古が行われた。「建設中の現場という『なくなってしまう場所』で、演劇という『消えてなくなるもの』ができる。通り掛かった人がのぞいていくところも野外ならでは」と串田さん。2年連続となる出演者たちは「昨年のことを思い出すと『夢だったのかな』という感じ」(佐藤さん)、「空の色が変わっていったり、車の音が聞こえたりする中で、『自分だけの体験』になると思う」(細川さん)と振り返る。
串田さんの作品に初めて出演する猫背さんは「来てすぐに松本が大好きになった」と充実した食生活を紹介。同館と市民が一緒に舞台をつくる「まつもと演劇工場(シアターファクトリー)」から参加する深沢さんは「初めて見た芝居に参加していた皆さんと一緒の舞台に立てるのは不思議な感じ」と話した。
当日は、会場内に小さな屋台村「空中メルカード」が設けられ、市内飲食店が出店。スペインにちなんだ料理やドリンク、同作のタイトルからヒントを得たオリジナルメニューを用意する。会場近くの本町商店街の7店舗では、串田さんが演出した作品で使用した小道具や衣装、宣伝美術の原画などを店頭展示する「空中ガレリア」も開催する(8月26日~9月4日)。
17時開場、17時30分開演。料金は、一般=4,000円、25歳以下=2,500円、18歳以下=1,500円。問い合わせは同館チケットセンター(TEL 0263-33-2200)まで。今月27日、28日には上田市交流文化芸術センター「サントミューゼ」交流芝生広場でも上演する。