松本市里山辺の松本民芸館(松本市里山辺下金井、TEL 0263-33-1569)で現在、企画展「雑器の美 日本のやきもの」が開催されている。
同館創設者の民芸作家・丸山太郎が収集した同館収蔵品約6800点のうち、陶磁器は最も多い1650点に上る。同展ではその中から100点以上を紹介。沖縄から、九州、山陰地方から東北地方など全国各地の皿、片口、とっくり、つぼなどが並ぶ。
塩尻の洗馬焼や入道焼、上田の染屋焼、伊那の高遠焼、長野の松代焼など県内で作られたものも多数展示する。浅間焼は、松本城主の戸田氏が「御庭焼」と称して松本の浅間温泉の東方に作業所を設けたのが起こりとされ、幕末にはかめやつぼのほか、玩具類を作って土産物として売り出していたという。
酒器を集めたコーナーには、大小のとっくりや鹿児島や沖縄で用いられていた「からから」も。ほかに、窯場の風景を描いた丸山太郎の版画作品なども併せて展示する。
「収蔵品がたくさんあるので、なるべく多くお見せしたいが、詰め込むわけにもいかないので、器が引き立つように展示した」と同館の田中有規子館長。「全て日常にあったものばかり。身近にある美しさを楽しんでもらえれば」とも。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は、高校生以上=300円、中学生以下、70歳以上の松本市民はは無料。月曜休館(祝日の場合は翌日)。4月17日まで。