松本の六九商店街に11月15日、骨董(こっとう)店「古知野屋(こちのや)」(松本市大手2、TEL 0263-39-1137)が移転オープンした。
店舗面積は約23坪。帯をメーンに、着物、帯留め、古裂(こぎれ)、焼き物、古道具、古布などをリメークした服や雑貨など、さまざまな骨董品を扱う。
帯は江戸時代から現代までの丸帯、袋帯、名古屋帯、半幅帯などを500本以上そろえ、1万円以下のものから数十万のものまで広く扱う。中には越後上布や宮古上布などの貴重な織物も。商品の半分ほどは裏地を変えたり、今の仕様に合わせて手直ししたりしているという。「お客さんの要望があれば、仕立て直しも受けている」と店主の今枝早苗さん。
ほかに150年以上前のイギリスの銅板更紗(さらさ)やウズベキスタンの民族衣装など、世界中のアンティーク布や外国着、江戸・明治期の古裂、瀬戸・美濃・常滑を中心とした古い焼き物も並べる。今枝さんがデザインを手掛けた野良着を裂いて作ったバッグ、藍染めの手紬(てつむぎ)を使ったワンピース、漆の欄間をついたてにしたリメーク品も。「昔の物はつくりや素材がしっかりしている。まだ使えるものは磨いたり修繕したりして生かし、状態によっては素材のみを生かす」
今枝さんは愛知県出身。骨董店を営んでいた父の影響もあって、小学生のころから小遣いを骨董品に充て、古いものを再生することに喜びを感じていたという。40年ほど前に地元で開業後、木工作品や作家を通じて松本と縁ができ、8年ほど前に大名町通りにも出店。店舗の老朽化に伴い、100メートルほど離れた場所に移転した。
「博物館に飾るような珍しい布や骨董品を並べているので、まずは見に来てほしい」と今枝さん。「いろんな古布がたくさんあるので、はぎれもいつかは販売できたら」とも。
営業時間は10時~18時ごろ。