浅間温泉の「手仕事扱い処GALLERYゆこもり」(松本市浅間温泉3、TEL 0263-46-2066)で現在、「平林昇陶展II~焼〆と上田・染屋と磁器窯変と~」が開催されている。
平林さんは1963(昭和38)年、北安曇郡松川村生まれ。1996年に同村で単室穴窯を築き「昇窯」と命名し、作陶活動を行っている。同展では皿や湯のみ、酒器、花器など約200点を展示。上田市・染屋の土、備前の土、磁器の土の3種類を使い、それぞれの特徴を生かした作品を作り上げている。
染屋の土を使った器は、片口や角皿、大皿、花器などを用意する。「ここ数年取り組んでいるが、染屋の土は扱いがとても難しい」と平林さん。黒っぽい色の中に、所々ブロンズのような輝きを持つ抹茶わんは、「自分にとっては国宝といえるほど」という作品。「窯の中で落としてしまったが、割れずに焼き上がった。偶然が重なって生まれたもの」
2日には、松本市出身のフルート奏者・丸山貴菜さんによる演奏会が行われた。クラシックを中心に、「荒城の月」「アメージンググレース」などの曲や、「平林さんのイメージ」という「タンゴ・エチュード」も交えて10曲を披露。参加者は畳でゆっくりとくつろぎながら、フルートの音色に耳を傾けた。
演奏会は、平林さんと丸山さんの母親が面識があり実現した。「ものを作るということは、何かと出合うことから始まる。出合いから新しいものができることをいつも願っている」と平林さん。「つくり上げる力というのは音楽も陶芸にもつながっている」と丸山さん。
会場内の花は平林さん自身が生け、期間中はお茶も入れる。「陶芸も、花もお茶も、楽しいと思うことをやっているだけ」と笑顔を見せる平林さん。「思った通りにいかないこともあるが、それが面白さでもある。それぞれの土の良さを感じてもらえれば」とも。
価格は小皿=1,000円~、湯のみ=1,800円~、片口=2,000円~など。営業時間は10時~18時。会期中無休。8月11日まで。期間中は平林さんが在廊し、作品を使ってお茶を入れる(13時~16時、薄茶・菓子付き300円)。