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松本・相澤病院が教員対象に学校登山向け医療講座-国際山岳医が指導

先月29日に行われた講座の様子

先月29日に行われた講座の様子

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 松本の相澤病院(松本市本庄2、TEL 0263-33-8600)が県内の教員を対象にした「学校登山に役立つ医療講座」を開催している。

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 講座は、引率する教員が基本的な知識を学ぶことで安全で楽しい学校登山を目指すもの。県内では、例年7月~9月にかけてほとんどの中学校が学校登山を実施。2011年に県山岳総合センターが行った調査では、遭難事故につながるような事例が1年で30件あったという。「登山に不安を感じている先生も多い。まずは、山では不慮のことがあることを理解し、早め早めに対応できるようになれば」と同院の医師で、日本登山医学会認定国際山岳医の千島康稔さん。

 先月29日には市内で講座が行われ、約40人が参加した。「山岳地は搬送や通信手段、医療設備が不十分。予防と早期対処が最も大事」と千島さんは強調。高山病や熱中症、低体温症などの予防方法や初期症状について説明した。折り畳んだ新聞紙と包帯を使って、足首や膝を固定する応急処置の体験も。「学校登山で山を嫌いになってしまう生徒もいるというが、十分に備えて、『また山に登りたい』と思ってもらえるような学校登山にしてほしい」と呼び掛けた。

 自身が山好きだという千島さんは横浜から移住して8年。2007年に山岳ガイドの資格を取得し、日本で国際山岳医の認定が始まった2011年に同医の認定を受けた。3、4年前から学校登山に同行するようになる中で、「先生も生徒も、登山の楽しみ方を教わらないままなのかもしれない」と感じ、バックアップできればと準備を進めてきた。

 講座の開催は昨年に引き続き2年目。受講した教員らの反応も良いという。「日常の生活と山は違う。いつもより感覚を敏感にすることで小さな異変に気付くことができるし、それが山の楽しさを知ることにもつながるはず」と千島さんは話す。

 6月10日には、大町市の長野県山岳センターでも同講座を開く。対象は学校登山引率に関わる教員・登山ガイド。受講無料。申し込みはメールで受け付ける。締め切りは同6日。

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