浅間温泉の「手仕事扱い処GALLERYゆこもり」(松本市浅間温泉3、TEL 0263-46-2066)で現在、現代美術作家・トザキケイコさんによる個展「せかいによって せかいにさす光」が開催されている。
トザキさんは岐阜県岐阜市在住。愛知県立芸術大学のメディアデザインコースを卒業し、デザイン事務所に勤務した後、2006年から作家活動を開始した。「パソコンの作業に明け暮れ、ハードな生活を送っているうちに、自分の『手』でものを作りたいと思うようになった」とトザキさん。
同展では約100点の作品を展示する。作品は木枝や貝殻、砂、石、米など、自然界に存在するものが含まれているのが特徴。「仕事を辞めたとき、『自然の一つとして生きたい』と思った。そのうち種や草花に目が行くようになり、小さいのに形や姿がとてもよくできていることに感動して作品に使いたいと思った」。瓶の中に収めたシリーズも多く展示。女性が優しく岩場に座る姿を表現した「湯守り(ゆもり)のお話し」と、木の上から見守っている男性を表現した「木守り(こもり)の庭で」は、同ギャラリーをイメージして制作した作品で、トザキさんが初めて訪れた際に敷地内で集めた素材を使っている。ほかに街のミニチュアや、女性たちの語らいの場、剣士や射手を表現したものも。
「箱庭」のシリーズもサイズや形を変えて出展する。日本庭園のように砂紋を施し、貝殻やアイランドモス(脱水・乾燥させたコケや海藻)を配置。砂は崩れないように、水で溶いた木工用接着剤を吹きかけている。「以前は本物のコケを使っていたが、購入してくれた方がメンテナンスしやすいようにドライのものを使うようにした。もっと手軽に楽しんでもらいたくて、瓶のシリーズが生まれた」
「空間を楽しんでもらいたい」とトザキさん。「小さいものばかりだが、小さくてもその場の空気を変えるような作品を作っていけたら」とも。
作品は全て販売する。価格帯は1,000円~7万円。営業時間は10時~18時(会期中の土曜は20時まで)。木曜・金曜定休。入場無料。12月25日まで。同14日は18時から「夜の茶話会」(抹茶・菓子付き500円)を開催する。