松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)2階のギャラリーAで現在、グループ写真展「我風展」が開催されている。
同展は松本市や安曇野市で写真表現を行っているメンバー8人が開催。実写や、写真を素材としたものなど、多彩な作品約160点が並ぶ。ギャラリー内の壁面を8等分しておのおのが自由にレイアウトし、それぞれの空間を演出する。
出展者は岩淵四季さん、橋坂紀夫さん、青木古道さん、大平滋子さん、佐藤千絵さん(以上松本市)、荒川裕さん、石田道行さん、本田彩乃さん(以上安曇野市)。20歳から70歳まで、幅広い年代のメンバーは、プロとして活動する人や、仕事をしながら写真を撮り続けている人などさまざま。大きなパネルで展示する岩淵さんの作品は自ら「絵でもない、版画でもない、CGでもない」と言う通り、不思議な質感のもの。佐藤さんは、写真作品以外にパソコンを使って写真を見せる「写真と音の旅」も用意する。石田さんは新潟の妙高高原でブナ林を撮影し、自作した木製の額に入れて展示する。
「個性を出そうと意識しなくても、作品からにじみ出てくる。写真だけではなく、これまで生きてきた経験そのものが出ているのかもしれない」と、メンバーで最年少の本田さん。昨年12月、同館で個展を開催した青木さんは「グループ展は、来場者の幅も広がり、いろいろな人に見てもらえる機会になるので楽しい」と話す。
大平さんと荒川さんが中心となり昨秋にグループを発足。「ベテランの作家だけではなく、若い作家や新しい挑戦をしたい人たちにとって自由な発表の場と、展示を通じた交流の場になればと思い、企画した」と大平さんは話す。「いずれは写真家たちの登竜門になるような公募展に育てていければ」とも。
開館時間は9時~17時。入場無料。5月19日まで。期間中はメンバーが交代で在廊する予定。