県内外で活躍中の作家たちの初期の作品を集めた「それぞれの足跡展」が4月5日より、松本のカフェギャラリー「Gargas(ガルガ)」(松本市深志3、TEL 0263-39-5556)で開催されている。
同展は、さまざまな作家たちの初期のころの作品や、現在とはちょっと作風の違う数年前の作品を集めて展示したもの。作家たちにとって「今見たらちょっと恥ずかしい」作品を、小沢夏美さん、金井三和さん(スミレ研究所)、大胡琴美さん、中武ひでみつさん、花塚光弘さん、碧水(山田いづみ)さん、杉野葵さん(mauve)、同ギャラリーオーナーの熊谷俊行さんの8人が展示している。
ギャラリー内には100点以上の陶器や絵画、アクセサリーやポストカードなどの作品が並び、それぞれの作家のメッセージやプロフィールが添えられている。
大阪府出身で、現在松本市在住のイラストレーター・中武ひでみつさんは「描き始めのころ、自分は何を描いたらええのか、何が描きたいんかもわからへんかった。でも描きたい、自分を表現するのに絵がいちばんおもろそうと思ったから、そやからやけわからんまま描いてきた。ほんで気付いたら小さいながらも歩いた跡ができてた」と関西弁のメッセージを作品に添えている。
「過去の作品があるから、今の自分がある。今回の展示で改めて自分を確認することができた」というメッセージを残す作家が多く、作品に対しての思い出や、当時どのような気持ちで作品を作っていたかなど、作家たちの心情も併せて感じ取ることができる。
同展は、熊谷さんが企画した。熊谷さんは、7年前に同店をオープンしてから、アトリエが見つからないなどの都合で制作活動から遠ざかっていたが、同展開催にあたって過去の作品と向き合い、活動を再開しようと決意。年内に同店で個展を開催する予定。「アトリエを借りることができたので、少しずつ制作を始めていこうと思う。自分にとっても、それぞれの作家さんたちにとってもいいきっかけになったと思う」と話す。
営業時間は11時~20時。火曜と毎月第1・3月曜定休。入場無料。4月29日まで。