安曇野のかりんとう専門店「花・林・桃・源・郷 蔵久(くらきゅう)」(安曇野市豊科高家、TEL 0263-73-0170)内のカフェギャラリーで現在、熊倉満さんによる写真展「~語りかける天地~ 祈り」が開催されている。
同展は、熊倉さんが東日本大震災復興への祈りを込めて撮影した風景写真10点を展示する。すべて長野県内で撮影したもので、写真には熊倉さんのコメントと撮影日時が添えられている。
DMに使用した「静穏」は美ヶ原で撮影した夜明けの写真で、暗かった空が山すそから明るくなっていく様子を写した。「人間のおごりで支配された空間を、再び安らかな空間に戻してほしいという祈りを込めた」と熊倉さん。「祈り」は、熊倉さんが真っ先に祈りたいと思った場所・常念岳で撮影したもの。「常念岳は自分が初めて登った山。登頂したときに見た景色は別世界で、自然界の大きさや大切さを感じた。そんな場所で、祈りをささげたいと思った」。
熊倉さんは新潟県出身で、現在は松本で仕事をしながら写真撮影を行っている。2004年の夏、家族で旅行に来た際に見た北アルプスの風景に魅了され、移住を決めたという。「高速のトンネルを抜けたときに目に飛び込んできた高い山々は、新潟とはまったく違ってダイナミックだった。空気感も違った」。それから山に登るようになり、美しい風景をちゃんと残したいという思いから、写真教室に通い本格的に写真を学び始めたという。
熊倉さんのこだわりは、県内で撮影することと、そこが「撮影スポット」ではないこと。「自分だけしか知らないスポットはとても魅力的。信州の良さを気付いてもらえる写真を撮りたい」。
「今回の震災で、何となく過ごしてきた日常がいかに大事か、そして自分たちは自然に『生かされている』ということを感じた」と熊倉さん。「自分は自然からのメッセージを伝える仲介者だと思っている。写真とコメントを見て、何かを感じたり気付いたりしてもらえたらうれしい」とも。
営業時間は10時~17時。入場無料。7月31日まで。