松本のホテル社員が技能五輪初出場、選手団主将に-従業員たちが壮行会

「チキンデクパージュ」を披露する阿部さん。

「チキンデクパージュ」を披露する阿部さん。

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 松本のホテルブエナビスタに勤務する阿部由美子さんが、10月22日から神奈川県で開催される技能五輪全国大会に出場する。

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 今年で48回目を迎える技能五輪はさまざまな職種で技を競い合う大会。出場資格は満23歳以下で、ものづくり産業の基盤を担う若年技能者のレベル向上と、技能の重要性のアピールを目的としている。阿部さんが出場するのは「レストランサービス」で、テーブルセッティングやワイン、カクテル、料理などのサービスなどのテクニックが評価される。

 阿部さんは2007年に同ホテルに入社し、1階のカフェ&レストラン「ラ・カフェテラサ」を担当している。大会出場を決めたのは今年の春。7月から練習を始めた。「最初はサーバーを扱うことすらできなかった」と技術指導を担当した料飲部の重山敬太郎副総支配人は振り返る。その後、週1ペースで特訓を重ねてきた。

 12日は、同ホテルで壮行会が行われた。同ホテルの従業員など約50人が参加、2012年に開催される長野技能五輪の公式キャラクター「わざまる」も駆け付けた。同席したアルピコホールディングスの堀籠義雄社長と同社社員がステージ上にセッティングされたテーブルに着き、阿部さんは6項目の課題のうち4項目を披露した。

 鶏の丸焼きを切り分けてサービスする「チキンデクパージュ」では、重山副総支配人が「チキンは毎回(骨の付き方などが)違うので、包丁の入れ方なども臨機応変さが必要」と解説を加える中、落ち着いた所作で丁寧に切り分けて盛り付け、テーブルに運んだ。実演後に感想を聞かれると、「盛り付けは(手前と奥が)逆のほうが良かったかも。ソースをサービスする際に、一歩出す足が逆になってしまった」と阿部さん。その後の「フルーツのデクパージュ」ではチェリージュビレ(フランベしたチェリーとアイスクリームを一緒に食べるもの)の実演を行った。

 最後にあいさつした阿部さんは「競技が終わってほっとした」と話し、それまでの緊張がようやく緩んだのか言葉を詰まらせた。しかし最後には「大会当日は優勝できるように頑張ります」と力強く宣言し、会場からは大きな拍手が。従業員からは「フレーフレー阿部さん」とエールが送られた。

 今後は仕上げの練習をホテル内で行い、最終調整を行う予定。出場選手団の主将も務める阿部さんは22日の開会式で選手団代表として入場、23日の本番で頂点を目指す。

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