松本市・中町通りの「御菓子処 翁堂」(松本市中央3、TEL 0263-38-6948)敷地内にある「蔵の店ギャラリー」で現在、楽器製造をメーンに手掛けるフジゲン(平田東)による「フジゲン楽器展」が開催されている。
同社が製造したギターやウクレレ、オルゴール、和太鼓など約100点の楽器や道具を展示販売する同展は今年で10回目。「サイトウ・キネン・フェスティバル・松本」の開催期間に合わせて開いている。
ギターは、同社オリジナルブランド「FUJIGEN」の製品を展示。ウクレレは、小さいものから順に「ソプラノ」「コンサート」「テナー」「バリトン」の4サイズと、パイナップルの形をした「パイナップル」を展示する。材質は、マホガニーやハワイ産のコアをメーンに使用しているという。「材質はもちろん、塗装や木の厚さなどで音が全然違ってくるので、気を使って製造している」と同社の胡桃澤紀彦さん。「ウクレレ弾きにとってあこがれ」(胡桃澤さん)という、通常の木目に対して垂直にしまが入った「カーリー」モデルも展示。オルゴールは卓上サイズから大型サイズまで幅広くそろえる。「こだわりは『生音』。アンプなど使わず、木に響いて聞こえてくる音を大切にしている」。
同社が企画し、県内の木工作家や技術者に協力を得て作る「ふるさとの家 からくりオルゴールシリーズ」は、かやぶき屋根の家を再現したからくり仕掛けのオルゴール。スイッチを入れると、家の中の明かりがともる、水車が動く、馬が草を食べるなど、さまざまな仕掛けがある。2006年に販売を開始した同製品は現在までに900台を販売したという。「月に200台近く売れたときもあった。すべて職人による手作業なので生産が追いつかず、そのときは最長8カ月待ってもらった。待ち続けてくれたお客さまには本当に感謝している」。
「蔵は温度や湿度が安定しているので楽器の展示にはとても良好。音もよく響くので、毎年ここで開催している」と胡桃澤さん。「フジゲンが作り出す楽器をこの機会にぜひ見て、触って、奏でていってほしい」とも。
商品は販売も行う。ギター=5万円~、ウクレレ=1万5,000円~、オルゴール=1万7,000円~など。オルゴール作り体験教室も同時開催中(1,500円~)。営業時間は10時~17時。9月13日まで。