NPO法人「コミュニティシネマ松本CINEMAセレクト」は1月10日、「ライブテープ」の上映会をまつもと市民芸術館小ホール(松本市深志3)で開催する。当日は松江哲明監督と主演のミュージシャン・前野健太さんが来場、上映後にはライブコンサートを予定している。
同作品の舞台は吉祥寺。元旦の武蔵野八幡宮で、前野さんが突如ギターをかき鳴らし歌ながら歩き始め、最終目的地・井の頭公園のステージで待ち構えていたバンドメンバーと合流し演奏するまでの全16曲を、74分1カットで記録したライブドキュメント映画。昨年10月に行われた「第22回東京国際映画祭」では、「日本映画・ある視点部門」で作品賞を受賞した。
松江監督と前野さんは昨年7月に知人のライターを介して知り合い、松江監督から「一緒に面白いことをやりましょう」と前野さんにオファーしていた。12月に「元旦に歌いませんか?一緒に映画を撮りませんか」と正式に出演を依頼。前野さんは快諾し、映画化が実現した。撮影当日は警備員に止められるなどのハプニングもあったが、「亡くなった友達のために1曲だけ歌わせて」と説得し、何とか撮影を続けたという。
松江監督は、同法人が1年間で最も活躍し映画ファンに至福の時間を与えてくれたと感じた映画人に贈る「松本CHINEMAセレクト・アワード」の「2009年最優秀監督賞」も受賞。上映前に授与式を行う。松江監督は「僕らの小さな作品を発見し、都内に負けない環境で上映してくれ、さらなる温かい歓迎に感謝している。期待に応えられる、強度のある作品をこれからも作り続けたい。松本に行くのがとても楽しみ」と話す。
料金は、前売り=1,400円(当日は1,800円)、学生=1,400円。ライブのみの場合は1,000円(当日券のみ)。上映スケジュールはサイトで確認できる。