安曇野発・沖縄の自然と食をつづる小冊子「ぱぴる文庫」、第3号を刊行

「ぱぴる」は沖縄八重山の方言で蝶のこと。「響きがいいと思って」(宮阪さん)。

「ぱぴる」は沖縄八重山の方言で蝶のこと。「響きがいいと思って」(宮阪さん)。

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 沖縄の自然や野菜、レシピなどをつづった安曇野発の小冊子「安曇野からの沖縄リトルプレス ぱぴる文庫」第3号が9月22日、刊行された。

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 「リトルプレス」とは、出版社ではなく個人やグループで発行し、大手の流通ルートを通さずに販売する本のこと。同誌は松本市出身の宮阪靖夫さんが、昨年春まで9年間住んでいた沖縄のことを、自然や野菜、料理をメーンに編集して出版しているもの。宮阪さんが文・写真・デザインをほぼ1人で行っている。同号では「うりずん」「ハンダマ」「しまバナナ」などの沖縄野菜・果実の説明や食べ方をまとめた「沖縄野菜 沖縄果実」や、国道58号線・久茂地交差点で繰り広げられる屋台の弁当店の日常を追った「沖縄おべんとウォーズ」、沖縄と長野のそばを比較した「沖縄そば 信州そば」などを掲載している。

 宮阪さんは1999年から昨年まで沖縄に住みアジア料理店を経営。「(店は)中心街にあったが、隣の空き地には草花が生い茂っていた。自然があって光がきれいで目を奪われた。写真を撮らずにはいられなかった」と宮阪さん。昨年春に長野に戻ってきてから、撮影した写真を眺めているうちに、何かかたちにしたくなったという。もともと本作りに興味があったこともあり製作を開始。昨年7月に1号、9月には2号を出版した。「(印刷物を)初めて作ったので…色やレイアウトなど、不慣れな中での製作だった。なかなか思った色にならず困ったことも」。3冊目にしてほぼ宮阪さんのイメージ通りのものができあがった。「ようやく慣れてきたというか…実物を見るまでは不安もあったが、できたものを見ると納得できた」。

 「仕事柄、食材の面白さに引きつけられた。それと、空気感が独特。日差しが違う」と宮阪さんは沖縄の魅力を語る。冒頭には「まばゆい沖縄 ゆるゆる沖縄 元気な沖縄 懐かしい沖縄 どこか哀しいそんな沖縄」と沖縄への思いを記した。「沖縄と安曇野はずいぶん違うけど…『沖縄』がメーンにあって、そこに安曇野の要素を入れるような感じで作っていければ」と宮阪さん。次号刊行は未定だが、「沖縄を離れて1年以上経つので…現地取材しないといけない」と笑う。

 A5版、全48ページフルカラーで500円。沖縄や東京の一部書店、雑貨店、カフェなどで販売。県内では「Gargas」(松本市深志3)、「ひつじ屋」(安曇野市穂高)、「長谷川書店」(長野市)などで扱う。ホームページでも販売する。

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