松本の食文化を切り口に、四季折々の行事などを紹介するパンフレット「松本いただきます手帖(てちょう)」が現在、市内を中心に配布されている。
「暦帳(カレンダー)」として伝統行事やイベント、食文化をイラストで紹介する。伝統行事は上高地の開山祭や、島立堀米の「裸まつり」、浅間温泉の「松明まつり」、三九郎やコトヨウカなど。郷土食として、山賊焼き、とうじそば、やしょうまのほか、旬の食べ物としてワサビやスイカ、花豆なども載せる。そばについては食べ方を説明。まつもと城下町湧水群にも触れ、町中の井戸や水巡りの案内もしている。
日中韓3カ国の文化交流事業「東アジア文化都市2026松本」実行委員会が制作。日本語、英語、中国語、韓国語の各版を用意する。事務局を置く市文化観光部文化振興課の小林明日美さんは「国内外から松本を訪れる方々、今後交流が予定される方々、そして市民の皆さんにもあらためて松本の文化を知ってもらい、魅力を感じてもらえれば」と話す。
デザインはイラストレーター・山本ひかるさんが手がけた。山本さんは大阪府出身で、2020年に松本へ移住。2022年、松本の暮らしを紹介する冊子「松本マップ」を出版した。その後、一度松本を離れたが再び戻ってきたという。「あらためて松本を知る機会になった。とうじそばや塩丸いかは初めて食べた」と振り返る。イラストだけではなく文字も、多言語版含めて手描きにこだわり、祭りに参加する人々の表情は一人一人細かく描き込んだ。「町の魅力は人にある。温かみのあるものを作りたかった」とも。
ゲストハウス「tabi-shiro(タビシロ)」(松本市城西1)を営む小澤清和さんが企画・編集に協力。同ゲストハウスの宿泊者は半数以上が外国人で、制作に当たってリサーチし、食に興味を持っていることを感じたという。「宿でそばの食べ方や、日本酒やみそがどうやって作られているか聞かれることも多かった。このパンフレットを使って説明していきたい」と笑顔を見せる。
マップはA2判の6つ折りで、日本語版1万部、各国語版各5000部を発行。市内の文化観光施設などで無料配布する。「東アジア文化都市2026松本」ウェブサイトでダウンロードもできる。