
俳優の桑折現さんによる一人芝居「Before boiling」が8月7日・8日、松本・今町の「マツモトアートセンターGALLERY」(松本市大手1)で上演される。
桑折さんが5人の劇作・演出家に書き下ろしてもらった作品を東京・京都・富山・松本の4都市で上演する「一人の俳優のための5人の演出家による上演」プロジェクトの第2弾。少年と大人、教育をキーワードに、感謝される人間について考える「教育ショー」を展開する。現代美術を活動のフィールドにしているアーティスト・前田耕平さんが作・演出を担当。桑折さんは「前田さんが舞台作品の演出を手がけるのは初めて。いわゆる『演劇』とは少し違う雰囲気を感じてもらえるはず」と話す。
桑折さんは京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映像・舞台芸術学科在学中の2001(平成13)年、パフォーミング・アーツカンパニー「dots」を結成し、京都を拠点に活動してきた。その後、俳優に軸足を置きつつ、多角的な視点で舞台芸術を探究。2022年には京都から富山県氷見市に移住した。「地方と都市圏を行き来する中で、見えてきたことは多い。受け身ではなく自ら企画を立ち上げることで、その2つをまぜるような体験や刺激を提供できれば」と同プロジェクトを始めた。
5月には第1弾として劇団不労社代表で劇作家・演出家の西田悠哉さんが脚本・演出した「マッチョと亡霊」を、まつもと市民芸術館で上演した。今後は、同館芸術監督でダンサー・演出家の倉田翠さんのほか、和田ながらさん、あごうさとしさんとタッグを組み、1年かけて50公演を行う。
桑折さんは昨年、倉田さんが主宰する「akakilike(アカキライク)」の新作ダンス公演「希望の家」に出演し、松本を訪れた。「ふと入った店にポスターが貼ってあるなど、芝居をはじめ文化芸術との距離が近いように感じた。また松本で作品を見てもらえるのが楽しみ」と話す。上演後にはアフタートークも予定する。「自分の中にある正しさや倫理観はどこから来ているのかを振り返る時間になれば。演劇や舞台の可能性を感じられるような作品にしたい」とも。
開演時間は、7日=19時、8日=14時。前売り料金は一般=2,500円、25歳以下=2,000円。チケット予約はウェブサイトで受け付ける。