
日本茶をはじめ、世界各地のお茶を提供する「無坐間(ぶざま)」(松本市大手4)が松本・裏町に4月3日、オープンした。
かわかみ建築設計室のはす向かいにあった民家を改装。玄関だったところには格子戸を入れ、勝手口だったところを入り口にした。土間を上がった12畳ほどの部屋に一枚板のカウンターを備えて6席、奥には10畳ほどの個室を設ける。店主の寺澤明子さんは「提供したいのは、お茶で癒やされる空間。お茶を楽しむバーをイメージしてもらえれば」と話す。
お茶は、緑茶、紅茶、白茶、青茶、ウーロン茶など四季折々に30種類以上を用意。日本茶をメインに、中国茶、台湾茶、ベトナム茶などもある。茶前茶(先付けのお茶)、お茶1種類と小菓子が付く「無」(1,980円~)、主菓子を加えた「坐(ざ)」(2,400円~)、さらにお茶が2種類になる「間」(3,500円~)の3コースがあり、会話しながら一緒にお茶を選んだり、入れる前後の茶葉を見てもらったりしながら、ゆっくりと提供する。ほかに、寺澤さんがお茶をたてる「茶ノ湯」(1,700円~)も。
寺澤さんは岐阜市出身。10年ほど前から「ルドラクシャ」という屋号で、世界のお茶を提供するお茶会を開いていた。2020年春に松本へ移住。時々ワークショップを行っていたが、「自分のペースでお客さまをお迎えできる場を持ちたい」と考えるようになったという。昨年2月、知人の建築家を介して紹介してもらった同物件は、民芸品などが数多く残っており、大家の母親が松本てまりを再生したという上條八尾さんだと分かった。「お茶を通して、癒やされたり、日本文化を感じたりしてほしいと思っていたので、こんなご縁があるのかと驚いたし、うれしかった」と振り返る。
店名は「特別なものはないけど、まずは座ってお茶でもどうぞ」という意味を込め、空間をイメージして「無」「間」という漢字を当てた。最近は、お茶に興味を持つ外国人観光客も増え、関心の高まりを感じているという。「奥深いお茶の世界を楽しんでほしい。作法は気にせず、思うままに、ゆっくりと過ごしてもらえれば」とも。
営業時間は10時30分~18時。予約優先。営業日はインスタグラムで確認できる。