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松本・キッセイ文化ホールで「掘るしん」 出土品を紹介、「遺跡を身近に」

奥にあるのが復元した大がめ

奥にあるのが復元した大がめ

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 長野県埋蔵文化財センター(長野市)の速報展「掘るしん2025」が現在、松本市のキッセイ文化ホール(松本市水汲、TEL 0263-34-7100)2階ギャラリーで開催されている。

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 同センターによる2024年度の発掘調査で出土した資料のうち、3つの遺跡から発掘された遺物33点を展示する。昨年9月で4年間の発掘作業を終えた市内三溝地区の真光寺遺跡からは、中世の内耳鍋や青磁のわん、近世の銭貨など。2022年度の調査で大量に見つかった須恵器の破片をつなぎ、復元した大がめの模型も用意する。当初は実物の展示を検討していたが、高さ約1.1メートル、最大径約1メートル、重さも約60キロあるために断念。実物は4月に同センター展示室で公開する予定だという。

 市内島立地区の南栗遺跡は、2022年度に発掘を始め、集落の広がりと継続時期について調査を続けている。同展では、灰釉や緑釉の陶器の皿やわんを展示する。飯田市座光寺地区の正泉寺遺跡からは、古墳時代に祭祀(さいし)に用いられたたかつきなどの土器類、竪穴建物跡から出土することは珍しいという耳環なども並べる。

 ほかに、県内で調査した12遺跡のうち8遺跡を説明したパネルも用意。規模や成果のほか、「現場の声」として、調査研究員からのコメントも掲載する。同センター調査部担当者は「現場の面白さや苦労を知ってもらえればと考え、昨年から載せている。発掘作業や遺跡、文化財保護に興味を持ってもらうきっかけになれば」と話す。

 16日には調査成果の報告会と、「奈良時代の信州に古墳はあったのか」をテーマにしたパネルディスカッションを開催。パズルやペーパークラフトを作るワークショップや遺跡担当者によるギャラリートークも行う。「身近に発掘現場があることをより多くの人に知ってもらいたい。ワークショップもあるので子どもたちにも楽しんでもらえれば」とも。

 開館時間は10時~16時。火曜休み。3月9日まで。16日の報告会・パネルディスカッションは10時30分~15時30分。いずれも入場無料。

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