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松本・中町のギャラリーで2人展「冷たい麺のうつわ」 料理が映える器、140点 

「作る時と食べる時で目線が違うことを意識して作っている」と秋谷さん

「作る時と食べる時で目線が違うことを意識して作っている」と秋谷さん

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 陶芸家・秋谷茂郎さんと古川桜さんの2人展「冷たい麺のうつわ展」が現在、松本・中町通りのナカツカビル3階の「器と工芸 なかつか」(松本市中央2、TEL 0263-32-4168)で開催されている。

落ち着いた雰囲気の秋谷さんの器

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 皿や鉢、カップや片口など、おのおの約70点を出品する。秋谷さんは、リンゴ釉(ゆう)を使った淡いグレーや、奥行きがある渋めのブルーの色合いの器が中心。指で化粧土を落として流れるようなラインを描く「青彩指描(ゆびえ)」は角皿や八角皿、鉢のほか、水鳥をかたどった取っ手を付けたふたものも用意する。

 秋谷さんは、高崎芸術短期大学専攻科陶芸修了後に中山穣さんに師事。1997(平成9)年、埼玉県三郷市で独立した。一度、陶芸から離れようと考えた時もあったというが、「粘土を触っている時間が好きでこの道を選んだ。生まれ育った場所は田んぼが多く、『土が近い』環境だったことが原体験になっているのかもしれない」と振り返る。

 中山さんの下で、朝と昼の食事の担当をしていたことが、器作りの基本になっているという。「生きていくための食事ではなく、食べる喜びを感じられるようなおいしそうなものを作るように言われていた。ものづくりの仕事は、誰かのために作ることだと教わった」と秋谷さん。

 古川さんの作品は、植物の絵付けが特徴。店主の錦織康子さんは「額に入れた絵のような雰囲気がある。一点一点異なるので、比べて選んでもらえれば」と話す。優しい色彩で、シダやナツツバキ、ムシカリなどを大胆に描いたものもある。

 作家同士に面識はなく、錦織さんが企画した。「料理を盛ったときにおいしそうに見える器を作る2人にお願いした。これから暑くなる季節に合わせて、活躍してくれるアイテムを見つけてほしい」と笑顔を見せる。

 価格は、小皿=2,200円~、小鉢=3,080円~、角皿=4,400円など。営業時間は10時~17時。会期中の休みは6月25日、27日。7月2日まで。

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