山形村アイシティで和紙人形の作品展-雅楽の一場面を力強く再現

舞楽の一場面を再現した和紙人形。衣装の装飾も忠実に再現している。

舞楽の一場面を再現した和紙人形。衣装の装飾も忠実に再現している。

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 松本・六九商店街にある和紙専門店「紙館 島勇」(松本市大手2、TEL 0263-35-1000)の和紙人形作家、伊藤叡香さんと、伊藤さんが主宰する和紙人形教室の生徒が作った作品展「舞楽」が、アイシティ21(山形村)で開催されている。

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 毎年同所で開催している作品展は6回目。今年の題材「舞楽」は舞を伴う雅楽のことで、面を付けて踊る場面を5体の和紙人形で表現している。伊藤さんは舞楽の走舞(はしりまい)の一つ、「陵王」の一場面などを再現。片足で立ち、舞う姿を紙粘土と和紙で作り上げた。人形の背景には、雅楽の舞台にある「火焔太鼓(かえんだいこ)」を、建材と和紙を使って4人がかりで制作。龍や鳳凰などの装飾も施されている。

 題材に選んだ「舞楽」は、「以前写真で見たときに、いつかは作ってみたいと思っていたもの」(伊藤さん)という。紙粘土で人形を作り、衣装や面は写真をもとに和紙を使って表現。質感を表すために細工を施し、模様を描き加えるなどの細かな作業で作り上げた。「集中して作業をする時間をとるのが大変。ただ苦労して作っているときが一番楽しい」と伊藤さん。

 1960年ごろから和紙人形を作り始めた伊藤さんは、8年前から和紙人形教室を主宰。現在は13人の生徒が学んでおり、中には群馬から毎月2回通う人もいるという。同展では9人の生徒が手掛けた作品を展示している。「もともと和紙にはこういう使い方もあるということを表現したくて始めたのが人形作り。今では芸術として認められてきた。これからも作品を作り続けて行きたい」(同)。

 開催時間は10時~20時。入場無料。今月16日まで。その後、「島勇」2階ギャラリーに場所を移して展示を行う。

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