塩尻市とリクルートホールディングス(東京)が10月に結んだ包括連携協定の一環として12月17日、「ローカルイノベーションプログラム」を塩尻インキュベーションプラザ(塩尻市大門八番町)で開催した。
同プログラムは、地域課題を解決する新規事業をどのように立ち上げるか、MVP(=minimum viable product、検証に必要な最低限の製品やアイデア)の手法を使って短時間で体験し、実現化に近づけるもの。信州大学とも連携した取り組みで、当日は市職員、高校生や大学生、企業やNPOの社会人など、約60人が参加した。
まずは、地域住民が高齢者を送迎する相互扶助型カーシェアリング「あいあい自動車」の事業を手掛ける同社の金澤一行さんが、事業のきっかけなどについて紹介。その後、8つのグループごとに、課題についてディスカッションを行った。課題は、「子ども食堂」「高校生起業家育成」「地元中小企業の新卒採用」「婚活への参加促進」など、各グループのテーマオーナーが取り組んでいるもの。メンバー同士で意見を出し合ってMVPを考えた後、フィールドワークを行った。近くの市民交流センター・えんぱーくに出向いたり、メンバーの知人に電話したりして意見を集めて検証。最後は各グループが発表し、金澤さんらがフィードバックした。
「今日だけのことではなく、今後どうするかというヒントを得られたと思う」と市企画政策部企画課の北野幸徳さん。「有意義な時間になった」「自分が取り組んでいることは、テーマとは直接関係ないかもしれないが、生かせることも多かった」など参加者からの反応も良いという。
「首都圏大企業の新規事業立ち上げのノウハウと地域の「人・もの・金・情報」の流れ、『知の交流と創造』の仕組みの一つが実現できた」と同課の山田崇さん。「未来に向けてチャレンジしようとしているさまざまな人々が集い、地域課題を事業で解決していくのは、選ばれ続ける地域の実現につながる第一歩になると思う。今後も継続していきたい」と話す。