松本市在住の作家・林迫山(はくざん)さんの個展「林迫山のおめんこ展」が松本・縄手通りの絵本書店「たつのこ書店」(松本市大手4、TEL 0263-35-4018)で行われている。
「おめんこ」は、男女の性器や性交をモチーフにした絵をお面にしたもの。鮮やかな色の複雑な線が絡み合うように描かれている。「人によってはもちろん、同じ人でも見るときどきで表情を変える。人の顔に見えるときもあれば、卑わいに見えたり神聖に見えたりすることもある」と林さん。同展では、約1年間描きためた100点を超える作品を展示する。模造紙に描いた大きな絵も。
小さいころから絵を描くのが好きだったという林さん。ずっとモノクロが中心だったというが、昨年5月からカラーペンを使い描き始めた。「1年前、20歳のときの自身の初体験をきっかけに、ふいに描き出した」。最初から形があるわけではなく、ひっくり返したり回したりしながら描き進めるうちに形ができあがるという。描いているうちに顔のように見えてきたため、原画を印刷してお面に。「プリントするのでやはり原画とは少し違うが、質感は残る」。自転車を改装した移動式店舗で、晴れた風のない日限定で、町中で販売も行っている。
林さんの作品を見た同店店主が声を掛け、初個展が実現した。期間中は、可能な限り林さんが在廊し、似顔絵描き(1,500円)も行う。「感じ方は人それぞれでいいと思う。たくさん並んでいると、つい流してしまうが、ぜひ細かいところまでじっくりと見てほしい」と林さん。「模造紙に描いた絵が出来上がったときには達成感があったが、もっと大きいものや、立体作品にも挑戦したい」とも。
作品は一部を除き販売する。価格は、おめんこ=500円~、シール=200円~、原画=応相談・3,000円~など。営業時間は10時~日没ごろ(土曜・日曜は11時~)。火曜定休。5月31日まで。31日は、朝からライブペインティングを行い、その後お面を付けて町中を歩くイベントも予定する。