大町市の木崎湖畔周辺をメーン会場に現在、アートイベント「信濃の国 原始感覚美術祭2013」が開催されている。
同祭は今年で4回目。木崎湖畔・大町温泉郷・大町市街地・美麻の4エリアで、国内外のアーティスト54組が作品展示やイベントなどを行う。
今回のテーマは「水のまれびと」。「まれびと」とは「客人」を意味する。参加アーティストの公募を今回初めて行ったため、「客人」としてのアーティストが新たな渦を巻き起こすことに期待したテーマとした。「テーマに対して応募してきた人たちなので、面白いメンバーが集まった」と同祭アートディレクターの杉原信幸さん(33)。
「まれびとの家」では、作家7人が作品を発表。空き家を作家らで修繕した会場で、電力は小水力発電と太陽光発電で賄う。神奈川県から参加する鈴木彩花さん(21)は、風呂場の天井と壁一面に、優しい色合いの絵の具で水中の生命を描く。「キャンバスより立体物や空間に描くのが自分の中でしっくりくる。時間をかけていいものにしたい」と鈴木さん。現在も作品に手を加え続けている。
栃木県から参加する香川大介さん(32)は、「古民家山本邸」の蔵の内壁に和紙を貼り、19の「体神像」を描いている。昨年2体を描き、残りの17体を今年と来年の同祭で描き上げるという。薄暗い蔵の中に浮かび上がる「体神像」は日本画材とアクリル絵の具で緻密に描かれ、神秘的。現在も作品の上からライトを当てて、日々黙々と描き続けている。同所を含め全8カ所で宿泊体験もできる(要予約)。
24日にはシンガー・ソングライター、タテタカコさんのライブや参加アーティストによるトークイベント、25日には縄文土器作りのワークショップや、雪雄子さんと木村俊介さんによる舞踏公演を開催する。「同じ思いで集まった人たちで作っているので、どんどんエネルギーが増している感じ。作品も相乗効果で年々面白くなっている。ぜひ見に来てほしい」(杉原さん)。
開催は9月8日まで。専用パスポート(1,000円)購入で全会場の展示を見ることができる(1カ所のみの入場は400円)。詳細はホームページで確認できる。問い合わせは「西丸震哉記念館」(TEL 0261-22-1436)まで。