松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)では、常設展示している松本市出身の芸術家、草間彌生さんの特集展示「草間彌生 魂のおきどころ」を開催している。
草間さんは1929年に松本市に生まれ、幼少時代から体験し続けている幻覚や幻視をモチーフに、水彩、パステル、油彩などを使った幻想的な絵画を制作している。
同館では、開館当初から常設展示として草間さんの作品を展示してきたが、今回は特別展として展示室を1室から3室に拡大し、作品も30点から68点に増やしている。
10歳のころの作品をはじめ、高校生時代やニューヨークへの留学中に描かれた作品、草間さんの作品として印象の深い水玉や網目で描かれた作品や、立体作品など、「原点」から「現在」までを紹介している。
同展の「見どころ」(同館)である「愛はとこしえ」(2005~2006年)シリーズは、162センチ×130.3センチの白いキャンバスにアクリルマーカーで描かれている全50点の連作。「原画は手元に置いておきたい」という草間さんの強い思いから、同館で2005年に開催した「草間彌生特別展」以外では、公開は版画や作品集のみだった。2回目の公開となる同展では、草間さん自身が選出した10点を展示、そのうち8点は初公開となる。
同館学芸員の渋田見彰さんは「映画の中で草間さんが制作していた作品を見ることができるのは松本だけ。映画を見て、東京から松本まで足を運んでくれたお客様もいる。この機会に多くの人に草間彌生の魅力に触れてほしい」と話す。
開館時間は9時~16時30分(入場)。入場料は、大人=400円、高大生=200円ほか。月曜休館。5月11日まで。
同館では、2月2日より公開されているドキュメンタリー映画「≒(ニアイコール) 草間彌生わたし大好き」が6月13日~15日、NPO法人「コミュニティシネマ松本CINEMAセレクト」により上映される。