プレスリリース

夏目光学の技術者らが経済産業省ほか4省共催「ものづくり日本大賞」優秀賞を受賞

リリース発行企業:夏目光学株式会社

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 夏目光学株式会社(長野県飯田市、代表取締役社長:細江国彦)の平栗健太郎と、東京大学先端科学技術研究センターの三村秀和教授をはじめとする研究グループ計7名が、経済産業省・国土交通省・厚生労働省・文部科学省の4省が共催する第10回「ものづくり日本大賞」において優秀賞を受賞しました。受賞案件は「ナノサイズの微小世界から何億光年と遥か宇宙の彼方を探る高精度X線ミラーの開発」。2012年から続く産学連携を通じて確立した国内唯一の精密転写技術が、高く評価されました。

第10回「ものづくり日本大賞」優秀賞 受賞者7名(2026年3月26日、夏目光学テクノロジーセンターにて)

■ 受賞概要


■ 受賞技術について

 X線は、顕微鏡では見えない素材の内部構造や、宇宙の高エネルギー現象を観測するために欠かせない光です。しかし、X線は通常のレンズでは曲げることができないため、ミラー表面を使ってごく浅い角度で反射させる「斜入射反射」という特殊な手法が必要となります。
 この反射を正確に行うには、ミラー表面の形状精度をシングルナノメートル(1ナノメートル=10億分の1メートル)のレベルで制御しなければなりません。当研究グループは、夏目光学が長年培ってきた超精密ガラス加工技術をベースに、「加工」「計測」「電鋳転写」の三技術をナノメートルレベルで融合。これにより、従来は実現困難だった高形状精度のX線ミラー量産技術を確立しました。
 開発したX線ミラーは、生命・材料・環境科学などの先端研究を支える放射光施設への納入実績に加え、NASAの太陽観測ロケット「FOXSI-4」へ日本製ミラーとして初めて搭載されるなど、国内外の研究機関から高い評価を受けています。

高精度筒形ミラーを用いたX線望遠鏡

太陽観測用筒形ミラー(長さ200mm、直径約60mm)

■ 東京大学との13年にわたる産学連携

 夏目光学と東京大学先端科学技術研究センター・三村秀和教授は、2012年より軟X線光学素子の共同開発を開始しました。研究の過程で加工・計測・電鋳転写の三技術をナノメートルレベルの超高精度にまで高め、従来にないタイプの高精度回転体X線ミラーの実現に成功。大型放射光施設SPring-8においても高効率な軟X線集光性能を確認しました。
 こうした研究成果を基に、さらなる高度化と若手研究者の教育を目的として、2023年4月には夏目光学の寄付により東京大学先端科学技術研究センターに「先端光学素子製造学」寄付研究部門を設置。ナノ精度の製造プロセス開発やロボット・AI導入による製造自動化に向けた研究を展開し、産学連携をさらに深化させました。

■ 受賞伝達式・記念講演の開催

 2026年3月26日、夏目光学テクノロジーセンター(長野県飯田市)にて、受賞伝達式が執り行われました。関東経済産業局産業部長・志村典彦氏にご臨席いただき、受賞者7名へ表彰状が授与されました。
 式典では受賞者を代表して平栗と三村教授による記念講演も行われました。平栗は「社内で培ってきた研磨技術の応用が大きなブレイクスルーになった」と開発の軌跡を振り返りました。三村教授は2002年から四半世紀にわたって光学素子研究に携わってきた経緯を語り、「新しい技術に積極的に触れ、好きになることが大切」と若い世代へのメッセージを残しました。

記念講演で開発の軌跡を語る平栗健太郎(夏目光学)

■ 今後の展望

 今回の受賞を経て、夏目光学は高精度X線ミラーの安定供給体制の確立へと歩を進めます。東京大学先端科学技術研究センターとの産学連携を継続しながら、顕微鏡から宇宙望遠鏡まで、研究現場が必要とする光学素子を確実に届けられる体制づくりに取り組んでまいります。

夏目光学株式会社について

 1947年創業以来長野県飯田市を拠点に、高精度光学素子および光学ユニットの研究開発・製造を手がける企業です。半導体製造、先端科学、X線分析といったナノメートルレベルの精度が求められる分野向けに、光学部品から光学ユニット、光学システムまで、世界最先端の光学技術を提供しています。光技術で未来を創造するソリューションカンパニーとして、人類の科学技術発展に貢献し続けています。

■ 関連リンク
- 経済産業省プレスリリース「第10回『ものづくり日本大賞』優秀賞受賞者を決定しました」

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