松本勤労者福祉センター(松本市中央4)で9月24日、フィルム&トークイベント「GOLOCAL(ゴーローカル)」が開催される。
当日はドキュメンタリー映画「幸せの経済学」の上映と、文化人類学者で環境運動家の辻信一さんの講演会を行う。映画はヒマラヤの辺境・ラダックを舞台に、約30年前まで外国人立ち入り禁止地域だった場所に欧米の消費文化が流れ込み、グローバリゼーションが進んだことによって起きた「伝統的な暮らしの崩壊」を描いたもの。辻さんは「100万人のキャンドルナイト」の呼び掛け人代表やNGO「ナマケモノ倶楽部」(東京都江東区)世話人として、「スロー」「GNH(国民総幸福量)」などをキーワードに、環境文化運動や環境共生型ビジネスに取り組んでいる。
主催は「マツモトゼロシティ」。「世界で広がりつつある『ローカリゼーション』の動きを知り、日本で、信州で何ができるのかを考えるきっかけにしたい」と同グループの前田和樹さん。「映画を見て実態を知った後に、解説を加えることでより具体的になればいいと思い、監督とも親交のある辻さんに講演をお願いした。ただ何となく感じるだけではなく、もう一歩踏み込んで自分の生活とつなげてもらえれば」と話す。
同グループは、持続可能な街のあり方を発信する街づくりを目指して立ち上げたもの。今年5月に前田さんが主催して行った同作品の上映会がきっかけで活動がスタートし、今回が第1弾の企画となる。「信州は日本の中でもローカル・パワーの豊かな場所。『ローカリゼーション』は決まった方法論があるわけではない。松本、信州ならではの考え方が生まれ、根付いていくような活動をしていきたい」
5月の上映会には定員を超える参加があり、上映会後のグループディスカッションでは、定時を超えて話し合う人もいたという。「参加者の中に、家でしょうゆやみそを作っているという人がいて、『自分がしていることもつながっていると知り勇気づけられた』と話してくれた。今、自分が取り組んでいることや、直面している小さな問題など一つひとつが大きな流れにつながっているんだ、ということを感じてもらえればうれしい」と前田さん。「映画はわかりやすくまとまっているので、最初のステップとして気軽に見られると思う。ぜひ足を運んでほしい」とも。
開場18時、開演18時30分。参加費は1,500円。問い合わせはメールで同グループ(mazeromazero@gmail.com)まで。