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松本の劇団「野らぼう」がサイレント芝居 スマホで聞く「音声同期型芝居」

6日の上演の様子

6日の上演の様子

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 劇団「野らぼう」が野外劇「ポポスタラタ山」を松本城大手門枡形(ますがた)跡広場(松本市大手3)で9月5日・6日、上演した。

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 「音声同期型芝居」と銘打ち、上演中に役者は言葉を発さず、観客は持参したスマートフォンで専用サイトにアクセスしてイヤホンでせりふや音を聞く。同劇団が取り組んでいる「ゼロカーボン演劇」として、昼間に太陽光パネルを用いて充電した電力で照明などを賄った。

 6日はおよそ30人が鑑賞。上演が始まると、無音の中で役者が動き、それを観客が見つめるという不思議な空間が生まれた。広場は通りに面していることもあり、足を止めてけげんそうに眺める人や、「何が行われているのか」とスタッフに尋ねる人もいた。クライマックスでは青白い光が辺りを照らし、幻想的な雰囲気に。静けさの中、拍手が沸き起こった。

 同劇団は2018(平成30)年に結成し、松本市を拠点に活動。昨秋には念願だった野外テント芝居を実現した。目標だったテント芝居を終えて、新たな創作手法を模索しながら同作品の準備を進めてきたという。団員の成田明加さんは「観客の皆さんのスマホは、大手電力会社が供給する電力で動いていて、芝居で使っている電力は太陽光。目に見えるわけではないがその違いも面白いと感じてもらえたら」と話す。

 当初は3日間の公演を予定していたが、4日は雨天で中止。5日・6日は月明かりが照らす中での上演となった。「雑踏音や町の風景と交ざり合い、日常に溶け込むような『町タイプ』の芝居になったと思う」と成田さん。

 今後は10月3日~6日にあがたの森公園(県3)で19時から、17日に山形村の「まるますの森」で18時30分から上演を予定する。料金はいずれも一般=2,000円、U25=1,500円、小学生=500円。当日はいずれも500円増し。予約はウェブで受け付ける。

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