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松本の建設会社が地域と共に学び交流する「アスワク」 町づくりを探究

講演では文化翻訳家のニールセン北村朋子さんが登壇

講演では文化翻訳家のニールセン北村朋子さんが登壇

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 松本の総合建設会社「アスピア」(松本市宮渕1、TEL 0263-32-8855)が、「つくる」をキーワードにつながりや町づくりについて探究するイベント「アスワク」を1月29日、同社で開催した。

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 同社は1961(昭和36)年創業。昨年6月に新たなビジョン「『つくる』ことで心を豊かにし、喜びを分かち合う世界を実現する」を定めたことをきっかけに、社内で「アスワク」プロジェクトを立ち上げた。管理部係長兼経営企画室室長の高久耀さんは「建物などいわゆる『ハード面』が建設会社の仕事だが、新たなビジョンを検討する中で、思いやにぎわい創出など『ソフト面』に、豊かさにつながるヒントがあると気付いた」と話す。社員だけではなく、地域の人たちとも共に学び、共有する場を設けたいと「アスワク」を企画。11月に公共空間における人々の活動「パブリックライフ」をテーマに初開催した。

 2回目となる今回のテーマは「幸せなまちのつくりかた」。文化翻訳家のニールセン北村朋子さんが登壇し、デンマークの教育、食、文化などの取り組みと成果などについて講演した。6月に同社社長の百瀬方洋さんや社員がデンマークのコペンハーゲンやロラン島を視察した様子も写真と共に紹介。建造物や路地などから得た発見や感じたことを話した。

 北村さんと百瀬さん、長野県立大学CSI地域コーディネーターの北埜航太さん、ファシリテーターを務めた但馬武さんの4人によるダイアローグの時間では、地域でできることについて思いを交わした。デンマークと比較し「人口規模を考えると、国よりは県単位で参考にできる部分が多いのではと感じた」と北埜さん。豊かさのためにまず始めることを問われた北村さんは「残業をせず、休みをしっかり取ること。時間があることで、対話する余裕が生まれる」と話し、百瀬さんは「すぐには難しい部分もあるが、労働時間を『削る』のではなく、社会や世間に身を置く時間に変えていきたい」と応じた。

 当日は市内を中心に、県内外から約50人が参加した。「年代も学生から年配の人まで幅広く、ここから新たなつながりが生まれることも期待したい」と高久さん。次回は5月中旬の開催を予定する。

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