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松本文字塾が「ああかなそうかなこうかなどうかな」展 16人がフォント発表

パネルのほか、詳細な制作の過程が分かるファイルも

パネルのほか、詳細な制作の過程が分かるファイルも

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 松本文字塾第1期生による展示「ああかなそうかなこうかなどうかな」が現在、芸大・美大受験予備校「マツモトアートセンター」(松本市大手1、TEL 0263-33-5511)内のギャラリーで開催されている。

フォントのほか、コンセプトなども紹介するパネル

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 同塾は、「ヒラギノ」「游(ゆう)書体」など100以上の書体を手がけてきた書体設計士・鳥海修さんが塾長を務める私塾。歴史、構造、書体デザインの考え方などを学びながら、手描きの文字をベースに、一年がかりで明朝体の平仮名と片仮名を制作する。

 同展では、昨年4月から学んだ1期生のうち16人が成果を発表。フォントと共にコンセプトなどをまとめたパネルのほか、手描きの文字や修正点などが分かる制作ファイルも展示する。京極夏彦さんの小説や子どもに読み聞かせる本に使うことをイメージしたフォントのほか、松本の町のさまざまな表情から発想したというフォントもある。

 装丁家・平野甲賀さんからの提案で、鳥海さんが文字塾を立ち上げたのは2012(平成24)年。第8期までは東京で開いていたが、コロナ禍で中断。その間に鳥海さんが安曇野市に移住したこともあり、同センターの協力のもと、昨年から松本文字塾として再スタートした。運営は松本タイポグラフィ研究会が担当。塾生は大学生から50代まで幅広く、グラフィックデザイナーなどデザインに携わる人が多いという。

 講義では対話を重ねることで、塾生が自身の感覚と向き合い、自らの文字を探求していけるようにしている。「作る、というよりは各自が持っている『かたち』を見つけて、生み出すことを目指している。『かたち』や自らの歴史を感じられるよう、手で描くことを大切にしている」と鳥海さん。現在は2期生が学んでおり、「ほとんどは遠方から通っている。『松本』文字塾なので、地元で関心を持つ人が増えれば」とも。

 10日には、デザイナー・アートディレクターの菊地敦己さんを迎えたトークイベントを行う(募集終了)。鳥海さんは、「興味があるという人は多いと感じている。40年やってきた私のノウハウを次につなげていきたい」と話す。

 開催時間は13時~18時(最終日は10時~13時)。6月10日まで。

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