松本・中町通りのギャラリー「GRAIN NOTE(グレインノート)」(松本市中央3、TEL 0263-32-8850)で現在、衣作家・渡辺珠美さんの作品展「渡辺珠美 秋冬の自然服展」が開催されている。
ブラウス、ワンピース、スカート、パンツなどの衣類やストール、バッグなどの小物、約30点を展示する。素材は綿や麻、羊毛の中でも最高級とされるメリノウールなどを使用。天然藍や五倍子(ふし)、柿渋などを用いて草木染をしたアイテムは、優しい色合いのものが多い。
同ギャラリーでの展示は4年ほど前から始め、「春夏」と「秋冬」の年2回開催している。今回は初めてトートバッグを制作。「バッグは生地が厚手で、意外と手間がかかった。染めるのも大変だったので…もう作らないかも(笑)」と渡辺さん。
渡辺さんが染色を学んだ後、古布のシルクを使い制作を始めたのは1998年。育児休業を経て、2009年からは自然素材・天然染料にこだわった服作りに取り組み、工程も手作業の立体裁断でパターンを作り、折り伏せ縫いで仕立てたものを一つ一つ手染めしている。今年の夏、マレーシアに移住。現在は長野市にあるアトリエと行き来しながら長野や東京で展示会を行っている。「今は、マレーシアでも作れるように準備しているところ。制作の拠点を移しても展示は続けていきたい」と渡辺さん。
初日の17日は、開店から来場者が絶えず、それぞれのアイテムを手にして試着。渡辺さんが手入れ方法を説明したり、来場者同士が色の合わせ方をアドバイスしたりする姿も見られた。「お客さまからの要望やフィードバックを聞ける展示会は、今後の制作活動に生かせる貴重な場」と渡辺さん。「これからも、さまざまなものに挑戦していきたい」とも。
作品は全て販売する。ブラウス=1万7,000円~、スカート=1万5,000円~、バッグ=1万2,000円~、ストール=8,000円~など。営業時間は10時~18時(最終日は15時まで)。入場無料。10月20日まで。期間中は渡辺さんが在廊する。