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安曇野で新美南吉生誕100年記念展-青春時代や信州とのつながりも

「手袋を買いに」の直筆原稿

「手袋を買いに」の直筆原稿

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 北安曇郡池田町の「北アルプス展望美術館(池田町立美術館)」(北安曇郡池田町、TEL 0261-62-6600)で現在、児童文学作家・新美南吉の生誕100年記念企画展「新美南吉の青春展」が開催されている。

画家・鈴木靖将さんの「ごんぎつね」原画

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 新美南吉(本名:新美正八)は、1913(大正2)年愛知県知多郡半田町(現在の半田市)出身。幼くして母を失い、養子に出されるなど寂しい幼少期を送り、中学生時代から創作を始める。18歳で代表作ともなる「ごんぎつね」を発表。以降、病と闘いながら「手袋を買いに」「でんでんむしのかなしみ」など数々の童話や小説、童謡などを残し、29歳という若さで亡くなった。

 同展では新美さんの青春時代にスポットを当て、直筆原稿をはじめ手紙や日記、新美さんが愛した映画や音楽の紹介、絵本の原画などを展示。各コーナーには、イラストレーター・山本正子さんによる描き下ろしの看板を立てる。「山本さんの優しいタッチのイラストで分かりやすく案内している。子どもも楽しめるように、映像や絵本を閲覧できるコーナー、地元小学校の児童による新美作品のワンシーンを描いた絵の展示も行っている」と同館の新美康明館長。新美さんの生涯を紹介するコーナーには、小学校時代に書いた文章に先生が文才を褒める評言をしているものや、自分の作品と才能への強い自負がうかがえる文章なども。

 「南吉と信州」のコーナーでは、新美館長の視点から、新美さんと信州とのつながりを紹介。「手袋を買いに」の発想の源は諏訪湖周辺の冬景色にあったのではないかと推測し、裏付ける手紙が残っていることや、新美さんが雪国の信州に強い憧れを抱いていたことを説明している。新美さんが好んで通った「新宿中村屋」の創業者が現在の安曇野市出身ということや、安曇野ゆかりの彫刻家・荻原碌山も通うサロンだったことにも触れている。

 同展では11月までさまざまなイベントも企画。今月5日には、新美さんが教師として勤めていた安城高等女学校(現:安城高校)の教え子である加藤千津子さんによるトークや、女優の星光子さんと紫子さんによる寸劇朗読会と演奏を開催する。「今まであまり紹介されなかった新しい新美南吉像を見てもらえると思う。ぜひ親子で楽しみに来て」と新美館長。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は、一般=800円、高大生=500円、中学生以下無料。月曜休館。11月24日まで。加藤千津子さんのトークは14時~、寸劇朗読会は15時~。そのほかのイベントの問い合わせは同館まで。

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