松本松南高校で吉本新喜劇「出演料50円公演」-閉校の思い出に生徒も出演

松本松南高校の生徒も出演した「出演料50円公演」。

松本松南高校の生徒も出演した「出演料50円公演」。

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 松本の松本松南高等学校(松本市埋橋2)で12月27日、吉本新喜劇による「どこでも行きます 出演料50円公演」が行われた。

舞台に上がった女子高生3人と吉本新喜劇のメンバー

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 同公演は、吉本新喜劇発足50周年を記念して出演料などすべての経費を50円で行うという企画。吉本興業グループのよしもとクリエイティブ・エージェンシーが今年5月まで開催地を募った。同校は来年3月に閉校が決まっており、現在は約110人の3年生が在校しているのみ。青山誠校長が「生徒たちを元気づけてほしい」という公演を切望した手紙を添えて応募し、全国から1,180件あった応募の中から同校が選ばれた。

 同校体育館で行われた公演には、生徒や保護者など約1,000人の観客が集まった。会場が暗転すると山田花子さんによる開始前のアナウンスが入り、生徒たちは歓声を上げた。「今回の企画で、松本松南高校が厳選なあみだくじの結果選ばれ…」と山田さんが言うと早くも爆笑が起こり、会場が温まったところで公演がスタート。

 脚本は座長の石田靖さんがラーメン屋の店主を演じ、弟役の藤井隆さんや客役の森三中らが、ヤクザからの嫌がらせをさまざまな形でクリアしていくという内容。同校の青柳郁美さん、北原菜実さん、渡辺奈緒美さんも客役として10分ほど出演した。石田さんが3人に「この学校のいいところは?」「将来の夢は?」など質問を投げかけながら進行。3人がラーメンを注文し石田さんが「カレーうどん3つね」とボケると、他の出演者と一緒に転ぶ一幕も。時折、「そば」「おやき」などの「長野ネタ」も混ぜながらストーリーは展開。会場は終始笑いが絶えず、1時間30分ほどの公演は大きな拍手で幕を閉じた。

 カーテンコールでは出演者全員があいさつし、3人にも感想を求めた。開演前に緊張しすぎて泣いてしまったという渡辺さんは「吉本の人たちが『頑張れ』と声を掛けてくれたのでうれしかった」と振り返りながらまた涙を流した。その後、生徒会長の飯島沙江さんから「在校生、卒業生にとって忘れられない思い出になった。ありがとうございました」と感謝の手紙が読み上げられ、同校の校章をかたどった手作りのメダルが出演者全員に贈られた。公演を見に来た卒業生の女性は「吉本新喜劇を見たのは初めて。すごくいい思い出になった。ここの卒業生で良かった」と笑顔を見せた。

 公演後、池乃めだかさんは「(閉校と聞いて)少し感傷的になったが、寂しさをみじんも感じず、楽しんでもらえたようで良かった」、未知やすえさんは「吉本にあこがれていた高校生のころを思い出した。こっちも元気をもらえた」と公演を振り返った。青山校長は「この体育館でこんなに大きな笑いが起きたのは忘れられない思い出になった」と締めくくった。

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