ライフサイエンス分野のソフト開発・販売を手がける「キッセイコムテック」(松本市和田)が10月下旬から、個人向け睡眠計測サービス「SleepSign-home(スリープサインホーム)」の提供を始めた。
利用希望者はホームページから申し込む。送られてきた行動計を腰につけて2週間過ごし、郵送で返却。行動計のデータから、睡眠状態を分析したレポートが1週間ほどで送られる。24時間計測することで、活動期(起きている時間)と休息期(眠っている時間)の両方のデータを蓄積。レポートには「睡眠時間」以外にも「眠るまでの時間」「睡眠中に起きた回数」や、「スリープクリニック調布」(東京都)の遠藤拓郎院長による「睡眠パターン」の評価も記載する。
同社は医療関係の事業展開を行っており、特に脳波などの生体信号の計測、解析の分野で高いシェアを誇る。1997年に睡眠解析研究用ソフトを開発、2001年にはアメリカで販売を開始し、その後各国の研究機関などで利用されてきた。「基礎研究の成果を一般の人にどう用いていくか、ずっと検討してきた。アイデアが出たのは3年前くらいだったと思う」と同社メディカルシステム事業部の田口勇次郎さん。2年ほど前から開発を進め、今年10月に行われた睡眠学会で発表するとともにサービスを開始した。
「日本の成人の5人に1人があまり眠れていないという統計もあるが、自覚症状があっても病院に行く人は少ない。気になっていても、個人で睡眠計測ができるサービスは今までにはほとんどなかったのでは」と田口さん。利用者には「良い睡眠」を取れてない人が多いという。「日常生活をしながら簡単に計測ができる。客観的データで睡眠を見直すきっかけになれば」(田口さん)。
料金は5,250円。