
わら細工と音楽を手がける水垣雪絵さんの個展「Lah nof,ton?(らーのふ、とん?)」が10月5日・6日、松本・今町の「マツモトアートセンター」(松本市大手1)で行われる。
「包む」をテーマに、卵型の石を中央に置いた巣のようなオブジェや、水垣さんの長女や長男が書いた手紙を中に入れたオブジェなどを展示する。卵を割れないように運ぶために用いた「卵つと」は10個を並べられるロングサイズのものを作った。使っているのは、水垣さんが育てた稲わら。「自分で手間をかけて育てたわらには自然と愛おしさが芽生える。包むという行為は、自然と優しい気持ちにさせてくれる」と話す。
東京で音楽を制作していた水垣さんは2017(平成29)年、安曇野に移住。自然に近い所で子育てしたいと移住を検討する中で、景色に一目ぼれしたと振り返る。しばらくは子育てに専念していたが、徐々に暮らしを楽しめるようになり、休んでいた創作活動への意欲が湧いてきたという。わら細工教室に参加したことがきっかけとなり、独学でさまざまな作品を制作するようになった。
同じ頃、地元のギャラリーで画家の成瀬遼さんと出会い、絵と併せて曲も再び作るようになった。2023年からはコミュニティー放送局「エフエムあづみの」のパーソナリティーとしても活動。ラジオのリスナーを通じてコーヒーショップ「RAULA(ラウラ)」(蟻ケ崎2)の店主・眞嶋敬介さんと出会い、昨年5月には同店で初の個展を開いた。
眞嶋さんと話すうちに、「これまで別々の活動として捉えていたわら細工と音楽を融合させてみると面白いと考えるようになった」と水垣さん。今後は、「水面音藁鳥(みなもねわらどぅりー)」という屋号で活動していくという。同展では、ふごという農具からイメージした曲を収録したカセットテープも制作。A面は音楽、B面はラジオ風に即興演奏を入れた。5日12時10分からは、シンセサイザーと千歯こきを使ったライブも開く。「空間全体を包み込むような音楽も楽しんでもらえれば」と呼びかける。
開催時間は5日=11時~18時、6日=13時~18時。