
塩尻市のJR塩尻駅3、4番線ホームにあるブドウ棚で9月10日、地元の園児たちがブドウを収穫した。
ブドウ棚は、塩尻のブドウとワインのPRの一環として1988(昭和63)年に設置。ブドウは、メルローとナイアガラの2種類で、それぞれ2本植えられている。同駅や塩尻ワイン組合などでつくる塩尻駅観光施設設置協議会のメンバーが中心となり栽培。7月には市内の園児らが絵を描いた紙を使って傘かけを行った。
当日はサン・サンこども園の園児、約40人が参加した。同協議会会長の林修一さんが「ナイアガラは種がある。今のブドウは種なしのものが多いので、種ありを上手に食べられるよう挑戦して」とあいさつ。JR塩尻駅の長瀬孝駅長が「皆さんに傘かけに絵を描いてもらったおかげで、甘いブドウになった。おうちに持って帰って食べてください」と呼びかけると「はーい」という声が上がった。その後、「えいえいブドウ」のかけ声で収穫を始めた。
園児らは順番に用意した台に上り、駅の職員や協議会のメンバーに手伝ってもらいながら、生食用のナイアガラを2房ずつ収穫した。「いい匂いがするね」と話したり、採ったブドウを見せ合ったり、時にはホームに入ってきた電車に手を振ったりする姿も見られた。
駅構内にブドウ棚があるのは国内唯一。今年は高温少雨で成熟が早く、昨年よりも1週間ほど早い収穫となった。林さんは「子どもたちにブドウのことを知ってもらい、地元に愛着を感じてもらえるイベントとして続けていきたい」と話す。