
松本市は戦後80周年記念事業として、小中学生を対象にした県内バスツアーや、鹿児島県南九州市を訪れる平和学習を行う。現在、参加者を募集している。
10月4日に開催する「親子平和バスツアー」は市内の小中学生と保護者が対象。当日は、約130人の画学生の遺作を展示する「無言館」を訪れ、昼休憩を取った後、松代大本営地下壕(ごう)をガイドの案内で見学する。発着地は松本市役所。参加費は無料で、昼食は持参または各自で購入する。定員は30人。締め切りは9月16日。
県内にある戦争遺跡など、戦争について学べる場所をいくつか検討して、バスで巡れる2カ所を選んだという。市総務部行政管理課・平和推進課の小沢智也さんは「太平洋戦争というと、広島や長崎のイメージが強いが、身近なところにも戦争の歴史があることを知ってもらいたい」と話す。
「松本と鹿児島をつなぐ 特攻から考える平和学習」も企画。鹿児島県の知覧町などを拠点とした特攻部隊が、陸軍松本飛行場で飛行訓練を行い、浅間温泉に滞在したという記録を振り返り、特攻に関する理解を深めてもらう。9月28日に松本市中央公民館・Mウイング(松本市中央1)で事前学習会を開き、10月25日~27日に「平和視察団」として、鹿児島県南九州市を訪れ、戦跡・史跡や万世特攻平和祈念館などを見学するほか、地域住民に向けた「学びの発表会」を行う。11月16日には、同公民館で現地学習の報告会を開く。
「平和学習」の参加は松本市内在住または松本市に通勤通学する高校生から20代までが対象。参加費は3万5,000円。締め切りは10月3日。
事前学習会と現地学習の報告会は、誰でも参加可能。小沢さんは「戦後80周年の節目に、若い世代の人たちと一緒に考える場にできれば」と呼びかける。
申し込みはいずれもウェブで受け付ける。