19世紀末にパリを拠点に活動した画家・ロートレックの特別展「ロートレック展 時をつかむ線」が現在、松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-7400)で開催されている。
東京、札幌で行われてきた巡回展。ポスターや版画、素描のほか、手紙や写真など含め約240点を展示する。作品はギリシャ人コレクターのベリンダ・フィロスさん、ポール・フィロスさん夫妻が収集した個人コレクションで、日本では初開催となる。
ロートレック(1864~1901)は、20歳の頃からパリの歓楽街・モンマルトルにアトリエを構え、歌手や芸人、娼婦(しょうふ)の姿を描いた。同展では生涯手がけた約30点のポスターのうち、21点を出品。大胆な構図や色彩が目を引く作品のほか、文字入れをする前の状態でロートレック自身のデザインをオリジナルに近い状態で見ることができる作品もある。
完成作や日々のスケッチまで、ロートレックの素描は約5000点弱に及び、7歳ごろから最晩年の36歳まで、単純計算で1日1点描いていたことになるという。鉛筆やペン、木炭などモノクロの描線からは、ありのままの視線、線の魅力を感じる取ることができる。ほか、家族や知人に宛てた手紙や写真なども紹介。同館学芸員の大島浩さんは「作品はもちろん、素描も多く、制作過程を知ることもできるので、じっくり楽しんでもらえれば」と話す。
関連企画として、市内の高校生や大学生がロートレックをテーマに作品を制作。館内プロムナードではエクセラン高校の美術科2年生(2月下旬予定)、まつもと市民芸術館(深志3)では信州大学美術研究会(2月2日まで)が作品を展示する。
ほかに、期間中は館内のレストラン「yumyum(ヤムヤム)」で、コラボメニューとして限定デザートとドリンクを提供。2月19日、3月5日には同レストランのランチが付いた学芸員によるギャラリートークも行う。
開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。入場料は、大人=1,600円(電子チケットは1,500円)、大学生、高校生、70歳以上の松本市民=1,100円(同1,000円)、中学生以下無料。月曜休館(2月24日は開館、25日は休館)。4月6日まで。