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安曇野のギャラリーカフェで切り絵展-切手から「飛び出した」人物を表現

さまざまな切手から人物たちが飛び出す

さまざまな切手から人物たちが飛び出す

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 安曇野のギャラリーカフェ「BANANA MOON(バナナムーン)」(安曇野市穂高有明、TEL 0263-83-8838)で現在、切り絵作家でイラストレーターの辻恵子さんによる作品展「きって」が開催されている。

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 辻さんは、はさみを用いて新聞紙や包装紙など身近にある紙を使った切り絵を制作している。印刷された写真や活字は服や靴、帽子、髪の毛などさまざまなパーツとして表現される。書き加える部分は目や口など最小限にしている。

 同展では、古い切手を使った作品25点を展示する。「最初に切手の作品を展示したとき、急に決まった展示だったので手元にあった海外の古い切手を使って作ったが、とても好評だった。切手作品だけの展示は今回が初めて」と辻さん。

 作品は切り出された人物と、切り出した後の切手を同じ額に収めて展示する。「最初は切り出した人物像だけを展示していたが、見た人に『服や髪の部分は塗っているの?』と聞かれ、実際に切って説明した。『並べた方がいい』と見ている方にアドバイスをもらい、それからは一緒に展示している」。同じ絵柄の切手を4枚使い、髪型や服装、体形やポーズなどが全て違う人物を5人切り出した作品も。

 辻さんは文化学院(東京都千代田区)卒業後、都内の美術学校に進学。東京を中心に活動しており、海外でも展示を行っている。「もともと新聞や雑誌をスクラップするのが好きだった。失敗した水彩画など身の回りにはさまざまな紙があり、すぐに捨てることもできたが、なんとなく遊んでみようという気になって切り始めたのがきっかけ」と辻さん。一般的な切り絵は単色の紙を使うことが多いが、カラフルな切り絵があってもいいと思い、さまざまな紙を使っているという。「絵や文字が入って制限されることで思ってもみなかった形が生まれてくる。それが面白い」。

 「役目を終えた紙の小さな声に耳を傾けることによって、素材からインスピレーションをもらっているように思う」と辻さん。「普段の生活の中で捨てられてしまうようなものの中に、こんなに面白いものが隠れているんだということを感じてもらえたら」とも。

 作品やグッズの販売も行う。ポストカード=150円、絵本=380円~など。営業時間は9時30分~18時。入館料は500円(1ドリンク付き)。会期中の休業日は8月10日。8月16日まで。

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