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松本・浅間温泉でトザキケイコさん個展 「糸かけまんだら」など、独特の空間に

自然界にあるものを用いた作品で、ギャラリー内は独特の世界に

自然界にあるものを用いた作品で、ギャラリー内は独特の世界に

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 松本・浅間温泉の「手仕事扱い処(どころ)GALLERYゆこもり」(松本市浅間温泉3、TEL 0263-46-2066)で現在、現代美術作家・トザキケイコさんによる個展「世界のすべてはあなたのなかに」が開かれている。

「糸かけまんだら」作りのワークショップ

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 「人の手から少し離れたもの、人が介在しない時間を感じるものに魅力を感じる」というトザキさん。古材や貝殻、石、砂など自然界にあるものを用いて、独特の世界を表現する。

 今年から制作している「糸かけ曼荼羅(まんだら)」は、古材などを台座にして、円や曲線、直線を組み合わせてさまざまな形を描き出している。以前から技法は知っていたものの、自身の表現として落とし込めずにいたが、オリジナリティーを加えることで作品にできたという。「目に見えないものから、美しいものが現れることが新鮮だった。私たちは見えているものだけを『あること』にしているが、自然界には見えないものがたくさんある」

 約10年ぶりに取り組んだというドローイングは、大型の作品も。「ドローイングは自分の内側の世界。以前は中にあるものを外に吐き出すように描いていた」とトザキさん。当時、作品を見た他のギャラリーのオーナーに「ずっとこういうふうに描いているとつらくなる。違う形の表現も見たい」と言われ、理性と感性をバランスよく使う立体作品を制作し始めたという。自然物を使うことで世界にある豊かさに触れ、それが自身の豊かさを発見することにつながり、再びドローイングも制作できるようになった。「今は、自分の中にも豊かさが存在する、という安心感がある。再び内面と向き合うことができるようになった」

 トザキさんは岐阜県岐阜市在住。愛知県立芸術大学のメディアデザインコースを卒業し、デザイン事務所に勤務した後、2006年から作家活動を開始した。同ギャラリーでの展示は2013年以来2回目。「トザキさんの作品は不思議な心地よさがある。器のない展示は(同ギャラリーでは)珍しいが、他にはない空間に仕上がった」と同ギャラリーの瀧沢一以さん。

 5日はトザキさんが在廊し「糸かけまんだら」作りのワークショップを行った。板に円形に打った64本のピンに、素数の数だけ飛ばして糸を掛けていく。最初はおぼつかない様子でゆっくりと糸を掛けていた参加者も徐々に感覚をつかみリズムよく手を動かし、少しずつ模様が生まれていった。

 作品は全て販売する。価格帯は1,000円~6万円。営業時間は10時~18時。木曜・金曜定休。11月27日まで。26日・27日はトザキさんが在廊し、ワークショップも行う。参加費3,000円(3時間程度、予約不要)。

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