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松本「カタクラ再開発」、建物活用を提案-市内の建築家が私案公開

再開発計画案のイラスト© 2013 Eitaro Kurahashi Architect & Associates

再開発計画案のイラスト© 2013 Eitaro Kurahashi Architect & Associates

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 松本カタクラモール(松本市中央4)を中心にした再開発計画(2016年秋開業予定)について、倉橋英太郎建築設計事務所(松本市野溝木工1)が敷地内にある解体予定の建物を利用・活用する独自の設計図を発表した。

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 現在、施設を運営する片倉工業(東京都)が解体方針を示している同社関連会社のカフラスや生物科学研究所などを活用する同案。カフラスの東西と北側に周辺と調和した店舗施設を配置、内部には松本の製糸業の歴史などを展示し、自由に行き来ができるようにする。生物科学研究所は市民からの声をもとに、日帰り入浴施設として活用する。延べ床面積は約4.1ヘクタール。

 所長の倉橋英太郎さんはこれまで、国の登録有形文化財に登録された旧第一勧業銀行松本支店を保存・活用した婚礼施設「アルモニービアン」(大手3)をはじめ、古い建物の再生に数多く取り組んでいる。同所の再開発計画については、2007年から建物を生かしたまちづくりを調査、検討してきた。倉橋さんは以前、カフラス内を見学したことがあり、「松本の歴史を感じられる場所。残すための工夫はいくらでもできる」と話す。

 片倉工業は今年2月、再開発予定地の8.5ヘクタールのうち6.2ヘクタールの貸し出しを発表したが、開発主体となる貸出先は公表していない。倉橋さんは片倉工業側にも同案を届けたという。「(再開発について)多くの市民が歴史ある建物を残すだけでなく活用したまちづくりを考え、活動している。この案がたたき台になれば」と期待を寄せる。現在、同案をウェブサイトで公開しており、今後はインターネット署名なども活用して広く賛同者を募る予定。

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