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安曇野のギャラリーカフェでイラスト展-物語の一場面を描く

イラストの雰囲気に合わせた額で展示

イラストの雰囲気に合わせた額で展示

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 安曇野のギャラリーカフェ「アートカフェ 清雅(せいが)」(安曇野市豊科、TEL 0263-72-3982)で現在、イラストレーター・田之上尚子さんの作品展「物語のかけら展」が開催されている。

イラストを基に立体化したフィギュアも

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 田之上さんは松本出身。大学では美術系のことを学び、卒業後は絵本関係の会社に勤務。その後、挿絵や舞台美術に携わりながら自身の創作活動も続け、個展やグループ展などを開催してきた。現在は愛知県在住。

 同展では、物語の一場面を描き出したイラストと、田之上さんがイラストを手掛けたCD付き絵本「おおまきの唄がきこえる」(オフィスエム発刊)の原画25点を展示する。「作品はストーリーを考えながら描いている。日常生活の中でふと思い浮かんだ不思議な生き物や言葉の響きなどをつなぎ合わせて、『物語絵本の一場面』のような感覚で描いた」と田之上さん。

 作品は細いペンと水彩で描く。落ち着いたトーンの色合いだが、ラメが混ざった画材をポイントに使いアクセントにしている。細かい描き込みも特徴で、植物や動物の体には多くの線が描かれている。「日光」「月光」は、それぞれ横を向いている女性と、「日光」には鳥、「月光」にはヒツジが描かれている。「奈良に旅行したときに見た『日光菩薩』と『月光菩薩』をイメージして描いた」(田之上さん)。作品の中には月を描いたものが多い。「以前住んでいた小淵沢で見た月がとてもきれいで、強く印象に残っている。闇に勝る光が神秘的に感じる。(作品に)意味をつけてくれている存在」。田之上さんのイラストを立体化した作品(造形作家・小口裕康さん作)も展示する。

 同店のスタッフが田之上さんの作品を見たことがきっかけで開催が決まった同展。「おおまきの唄がきこえる」付属のCDで音楽を手掛けた「雅音人(がねっと)」の下田民子さんと同店オーナーの岡村節子さんが知り合いだったこともあり、田之上さんにオファーしたという。「作風が好き。落ち着いた色合いだが、表現しようとしているものが温かいので暗さを感じない。独特の雰囲気がある」と岡村さん。田之上さんは「今までオファーを受けたことがなかったのでびっくりしたが、とてもうれしかった」と話す。「お茶を飲みながらゆっくり見てもらえれば」。

 作品は一部販売も行う。価格は1万5,000円~2万円。営業時間は10時~17時(最終日は16時まで)。月曜定休。入場無料。12日には「雅音人」によるコンサートも開く(チケット=2,000円、要予約)。3月13日まで。

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