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松本の「二度と行けない店」8人がつづる 書籍「Neverland Diner」スピンオフ

店だけではなく、その場所にいた人との思い出がつづられている

店だけではなく、その場所にいた人との思い出がつづられている

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 もう行くことはできない店をつづったZINE「Neverland Diner 二度と行けない松本のあの店で」が5月10日、発行された。

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 閉店してしまったり、どこにあったか分からなくなったり、さまざまな事情があったりして再び訪れることができない飲食店「ネバダイ」について、8人が執筆する。美ケ原温泉の一画にあったそば店や、父が受け継いだという焼き肉店、子どもの頃に家族で通った中華料理店のほか、「趣旨と少しずれてしまうが」と前置きした映画館の思い出などもある。

 同書は「Neverland Diner 二度と行けないあの店で」(都築響一編集、ケンエレブックス刊)のスピンオフ企画。大阪、京都、名古屋、広島など、「地元のネバダイ」編が各地で展開されている。

 松本の老舗あめ店「飯田屋飴(あめ)店」(松本市大手2)の専務・伊藤雅之さんが、上田編を読んだことがきっかけで、架空のレーベル「SOBASOBABOOKS」として制作。レーベルロゴは執筆も手がけた工芸デザイナー・井出八州さんが、写真はコーヒースタンド「High-Five(ハイファイブ)」の高木尚美さんが担当した。伊藤さんは「松本編もあったら面白いと思って、つながりがある人に声をかけた。皆で作り上げた一冊になった」と話す。

 松本・安曇野周辺で出店するコーヒー店「RAULA(ラウラ)」の眞嶋敬介さんは、中国家庭料理店「チャイナスパイス食堂」を紹介。メニューと共に、芸術家でもある店主の「白さん」との会話も記した。「執筆の話を頂いて、これは『チャイスパ』にしようとすぐに決めた。白さんの芸術活動や、現在、テイクアウトの店を営業していることも知ってもらいたかった」と眞嶋さん。書きながら、店のことや通った時代のこと、それにまつわるさまざまなことも思い出すことができたという。

 書店「本・中川」(元町1)の店主・中川美里さんは、2人の女性、「ふるちゃん」と「あやちゃん」が営んでいたカフェ「Deux(ドゥ)」と、カフェ閉店後にあやちゃんが1人で始めた雑貨店「tonico(トニコ)」を選んだ。「開業するに当たり、かなり強い影響を受けた店」と中川さん。手元にある、当時の2店のことを掲載した雑誌などを眺めつつ、書き進めたという。発行を知ったふるちゃんが店を訪れてくれたといい、「当時の話で盛り上がり、私が初めて店に行った時のことも鮮明に覚えていてくれた。こういう機会を頂き、書くことができて良かった」とも。

 価格は600円。「本・中川」の店舗とオンラインショップで扱う。

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