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南松本の喫茶店「ポプラ」がリニューアル 「常連客が心地よい空間」継承

「常連客に思い出してもらえれば」とレジ横には瀧川夫妻の写真も

「常連客に思い出してもらえれば」とレジ横には瀧川夫妻の写真も

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 南松本の喫茶店「コーヒーハウスポプラ」(松本市双葉)がリニューアルオープンして1カ月が過ぎた。

サイホンで入れるコーヒー

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 店舗面積は約10坪。席数は、カウンター=6席、ボックス=16席。40年ほど前に開業した店を、店主の佐野和貴さんが引き継いだ。ゴシックアーチ型の屋根が特徴的なカナディアンシーダーハウス造りの店内はほぼそのままで、全席喫煙可能。

 佐野さんが焙煎(ばいせん)した豆を使い、サイホンで入れるコーヒーは、ブレンド(450円、アイスは500円)4種類と、シングル(500円~)6種類。ほかに、クリームソーダやバナナジュース(以上550円)、瓶ビールやクラフトハイボールなどのアルコールもある。

 食事は、エビピラフ(600円)、カレー、ナポリタン(以上700円)、カツ丼(800円)など。スイーツはケーキ類のほか、数量限定の「あげパンアイス」(500円)も用意する。モーニング(8時~10時30分)は、ドリンク付きで「バタートースト」(550円)、「タマゴトースト」(650円)などを提供する。

 10年以上焙煎士として、主に卸販売をしてきた佐野さん。同店を35年営業してきた瀧川夫妻が共に80歳を越えたこともあり、「受け継いでくれる人がいれば」と知人から紹介された。「店を始めるなら、コーヒースタンドのような形をイメージしていた。喫茶店はいつかできたらいいなという憧れだった」と振り返る。以前、客として足を運んだことがあり、「お二人の人柄が作り上げてきた空間。自分の好きなように変えるよりも、この場所を残すことが大事だと思った」。店名も継ぎたいと申し出ると、快諾してくれたという。

 カウンターの奥に並ぶのは常連客の「マイカップ」で、中には既に使われなくなったものもある。「35年、毎日通っている人もいるような店なので、プレッシャーもあった」と佐野さん。7月末、瀧川夫妻が営業する最後の10日間は共に店に立ち、常連客を紹介してもらったという。「『店を残してくれてありがとう』と声をかけてくれる人もいて、なくなると困る人が多いことを実感した」と話す。

 カウンター席では常連客がパイプをくゆらせながらコーヒーを飲み、ボックス席では20代の若者がスマホでクリームソーダを撮影しているという日もある。「常連客を大事にしながら、新たなお客さんも呼べる店にしたい」と佐野さん。今後は、テラス席を設けることも検討中だという。「自分のやりたいことも少しずつ表現しながら、変わらず多くの人に愛される店を続けていければ」とも。

 営業時間は8時~20時。木曜定休。

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