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松本・中町のギャラリーで美麻在住・柏木千繪さん個展 白磁の器300点超

普段使いの器を中心にさまざまなアイテムが並ぶ

普段使いの器を中心にさまざまなアイテムが並ぶ

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 陶芸家・柏木千繪さんによる個展「白磁 柏木千繪展」が現在、松本・中町のギャラリー「工藝(こうげい)マエストロ」(松本市中央3、TEL 0263-33-7895)で開催されている。

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 カップや鉢、皿など、定番としている普段使いの器を中心に、花器や壁に掛ける状差しなど合わせて300点以上を展示する。白磁は、焼成時に送り込む酸素の量を制限すると青みがかった色に、十分な酸素量にするとクリーム色になり、同じ形でも和洋異なる雰囲気に仕上がる。形は、「どこかで見たものを自身の中で組み直すようにして出来上がる」(柏木さん)と言い、ジンボトルや賞状の枠を参考にしたものも。「後で見ると全然違う形になっていることもあるが、そうやって生まれるのが自分の形なのだと思う」と柏木さん。

 花柄のカップは、「何となく花と分かるが、種類までは分からない」ように意識して絵を付けた。「以前は古伊万里のような絵付けをしていたこともあったが、何か分かる絵よりも抽象的なものの方が使いやすいと考えるようになった」。六角形や八角形に面を取った新作の花器は、同店からのリクエストで挑戦したもの。「面取りの加減が難しかったが、個展なので頑張ろうと思って仕上げた」と笑顔を見せる。

 柏木さんは諏訪市生まれ。小学校時代をパリで過ごし、グラン・パレ美術館で開かれた染色家の芹沢銈介展をきっかけに、日本の工芸に関心を抱くようになった。帰国し、東京造形大学で彫刻を学んだ後、焼き物の道へ。日本民藝(みんげい)館展で奨励賞を2回受賞し、現在は大町市美麻で作陶している。

 同ギャラリーの宮原史帆さんは「シンプルでさりげないものを作るのは難しい。定番も新作も、柏木さんの魅力を感じられると思う」と話す。同ギャラリーとの付き合いは15年以上になるが、今回が初の個展。当初、昨年5月に予定していたが、調整を重ねて開催にこぎ着けた。柏木さんは「定番を作るのが好きで、展示会は苦手。それでも時間を掛けていろいろ挑戦することができて良かった。持ったときにどう感じるか、収まりが良いかを考えながら作っているので、まずは手に取ってほしい」と呼び掛ける。

 価格は、カップ=2,200円~、花柄カップ&ソーサ―=5,500円など。営業時間は10時~18時。7月18日まで。

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