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市美術館で松本出身の彫刻家・飯沼英樹さん個展 「現代を生きる女性」表現

「MATSUMOTO RUNWAY」エリアで説明する飯沼さん

「MATSUMOTO RUNWAY」エリアで説明する飯沼さん

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 松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-7400)で現在、松本市出身の彫刻家・飯沼英樹さんの特別展「闘ウ女神タチ」が開催されている。

アーティスト・ギャラリートークの様子

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 飯沼さんの作品は、きらびやかな衣装を身にまとい、最先端のメークで武装した現代を生きる女性がテーマ。大型のものから数センチの小さいものまで、新作も含め約120点を展示する。

 「輪廻転生」をイメージした作品は、東日本大震災の復興を願って制作。「普段は家族にも見せない」という制作風景を収めた映像も見ることができる。「全てを自身の手でやっている、芸術家としての態度を伝えることができれば」と飯沼さん。来場者が自由に撮影できる「MATSUMOTO RUNWAY」のエリアには、中央のランウェイをはじめ、周囲にもポーズを決めた女性像が並ぶ。「学芸員の皆さんと一緒に、彫刻ならではの特徴を生かせる空間づくりを考えた」

 飯沼さんは1975(昭和50)年生まれ。松本蟻ケ崎高等学校卒業後、東京・名古屋での学生時代を経て、2002年にフランスへ留学。その後もデンマーク、イタリア、ドイツで学び、ヨーロッパを中心に作品を発表。現在は東京にアトリエを構え、制作活動を行っている。「幼いころ、森や畑など自然の中で育った経験が、木という素材で表現する原点なのかもしれない」と飯沼さん。

 9月17日には飯沼さん本人による「アーティスト・ギャラリートーク」を開き、約60人が参加した。使う木材について「木にも個性、性格があるのでそれを作品に生かしたい」「近くの公園で、チェーンソーの音がしたので急いで行って分けてもらった」など、エピソードも交えながら説明。制作過程や作品に込めた思いなどを話したり、参加者の質問に答えたりしながら、1時間半ほどかけて展示室を回った。

 同展に合わせ、現在、ホテルブエナビスタ(10月31日まで)と松本駅東西自由通路(11月13日まで)でも作品展示を行っている。「地元で、このような形で個展ができるのは本当に恵まれているし、うれしい」と飯沼さん。「皆さんに支えてもらっていることに感謝している。いずれ、世界一の彫刻家になりたい」と意気込む。

 開館時間は9時~17時。入場料は、大人=800円、70歳以上の松本市民=600円、学生無料。11月27日まで。10月22日には高校生を対象にした「続・アーティストと話そう!作ろう!」、11月6日には講師にヨガ・ヒデキさんを迎え「五感で楽しむアート 美術館でヨガをしよう!」、10月1日、29日、11月12日には同館学芸員が解説する「ギャラリートーク」を行う。

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