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松本市美術館で「バーナード・リーチ展」 作家・原田マハさん講演会も

リーチが監修した松本民芸家具の椅子も

リーチが監修した松本民芸家具の椅子も

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 松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)で現在、企画展「バーナード・リーチ展」が開催されている。

原田マハさんによる講演会

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 今週末から行われる「工芸の五月」に合わせ、生誕130年を迎える英国人陶芸家・バーナード・リーチの芸術活動を幅広く紹介する。日本民芸館(東京)の所蔵品を中心に約200点を展示。4部構成で、陶器や陶板などの作品のほか、民芸運動の創始者・柳宗悦との書簡や、リーチがデザイン監修した松本民芸家具のラダーバックチェアなどが並ぶ。

 1887年に香港で生まれ、日本で幼少期を過ごしたリーチは、92歳で亡くなるまで生涯を芸術にささげた。東洋と西洋の文化の融合を目指し、日本を訪れるたびに柳や陶芸家・濱田庄司らとともに日本各地の窯場へ。三代澤本寿や池田三四郎の案内で信州各地を巡ったり、入山辺にあった「霞山荘」に夏の期間滞在したりと松本とのゆかりも深い。

 24日には、リーチが主人公の小説「リーチ先生」を信濃毎日新聞で連載した作家・原田マハさんによる記念講演会「リーチ先生を追いかけて 小説『リーチ先生』でたどるバーナード・リーチの足跡」が行われた。もともと民芸が好きで、リーチのロッキングチェアを持つのが夢だったという原田さん。松本まで足を運んで買い求め、「あのときの満足感と高揚感は忘れられない」と振り返った。

 小説の執筆前から、プライベートで全国の窯元を巡っていた原田さんは、行く先々でリーチが訪れていたことを知ったという。「知らず知らずにリーチの足跡をたどっていた。窯元の人々が『リーチ先生』と敬意と親しみを込めて呼んでいて、どんな人なのか興味を持った」。それをきっかけに「いつか小説を書きたい」という思いが強くなっていったという。リーチが晩年まで制作を続けたイギリスのセント・アイヴスを訪れた時の写真と共に、リーチの孫とのエピソードも紹介。約100人の参加者は熱心に耳を傾けていた。

 講演前に同展を鑑賞し、「今、ここに世界中のベスト・リーチが集まっている」と原田さん。「会期中、何度も足を運んでほしい」とも。

 開館時間は9時~17時。入場料は、大人=1,000円、大学生・高校生・70歳以上の松本市民=600円、中学生以下無料。月曜休館(5月2日と30日は臨時開館)。6月5日まで。期間中、ワークショップ「美を繕う~陶磁器の修復体験~」、学芸員によるギャラリートークなども予定する。申し込み・問い合わせは同館まで。

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