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市博物館で「博物館がみつめる松本」 110周年記念で特別展

「博物館がみつめる松本」の章

「博物館がみつめる松本」の章

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 松本市立博物館(松本市丸の内4、TEL 0263-32-0133)で現在、開館110周年記念特別展「博物館がみつめる松本-収蔵品からよみがえる記憶」が開催されている。

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 同館の歩みとともに、松本に暮らした人々の営みを振り返り、「松本の記憶」を共有したいと企画した同展。同館の持つ役割を考察する「博物館とは何か」をはじめ、城下町としての「マチ」と周辺の「ムラ」の様子、文化財や戦争、未来など5章に分けてさまざまな角度から紹介する。「100周年の際には歴史を振り返った。今回は収蔵している資料を見ながら、さまざまな思いをはせていただけるような展示を目指した」と同館の草間厚伸さん。

 「博物館がみつめる松本」では、江戸時代~昭和初期に実際に町中で使われていたものや販売されていたものを展示。「商都」の性格を伝える商店の看板や長のれん、帳場だんすなどのほか、「押絵雛(おしえびな)」や「松本だるま」などの商品も並ぶ。「マチ」の外である「ムラ」は、農作物や工芸品生産の拠点として紹介。明治~昭和時代に使われていた農耕具や農閑期の副業として栄えた「みすず細工」なども展示する。

 「博物館から考える戦争の歴史」では、昨年同館に寄贈された「池田コレクション」から、戦争の歴史をひも解く。同コレクションは、一昨年に96歳で亡くなった池田清治氏の遺品で、出征先での写真や、日中戦争で被弾した銃弾などを中心に構成。「市井の人の、あくまで一例ではあるが、その『記憶』を多くの人に見ていただき、共有することも博物館の役割の一つ」と草間さん。「戦後70年という節目の年でもあるので、松本から戦争を考えるきっかけにもなれば」とも。

 同館の前身は、1906(明治39)年に開館した「明治三十七、八年戦役紀念館」で、以後、6回の名称変更を経て2005年に現名称に。「博物館は社会の『記憶装置』とも言われる。松本という地域のさまざまな側面を知り、考えてもらえるきっかけになれば」と草間さんは話す。

 開館時間は8時30分~17時(入館は16時30分まで、8月8日~16日は、8時~18時)。入場料は、大人=200円、小中学生=100円。9月23日まで。

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